[プレミアリーグWEST]“衝撃”のプレミアデビュー!「人生懸けた」神戸弘陵がJユース杯準Vの名古屋U18に3-0快勝!
ゲキサカ / 2016年4月11日 19時5分
そして神戸弘陵は前半30分、右ショートコーナーから竹村がクロス。これをニアサイドの谷後が右足ダイレクトで合わせて2-0と突き放す。名古屋は後半、深堀や田中が繰り返しスペースを突いてPAを強襲。23分には田中との連係で右サイドを破ったSB宮島裕(2年)の決定的なラストパスがゴール前に入り、25分には田中のクロスが深堀に届いたが決め切ることができない。逆に神戸弘陵はよくボールをキープしていたFW村山健(3年)と谷後、またFW住田翔(2年)や竹村がカウンターやコンビネーションを駆使して決定機もつくる。そして27分、竹村がファインショットを突き刺して3-0。終盤にビッグチャンスを作られたものの、GK鈴木の好守で阻止した神戸弘陵は5つの交代枠も積極的に使ってハードワークを継続し、初陣で見事に快勝を収めた。
昨年のプリンスリーグ関西を制し、選手権でも16強入りを果たしているとは言え、世代が入れ替わり不安視される面が大きかった。「正直、世間のみなさんも弘陵が“ドル箱”というイメージがあったと思う」(谷監督)。それでも初挑戦するプレミアリーグで周囲も驚く勝利を果たしてみせた。今春、プレミアリーグへ向けて大学生との5試合を含む18連戦を行ってきたという神戸弘陵。特長でもある選手間の距離、技術、コンビネーションの部分に加えて、全国トップレベルのチームや海外のチームが試合で表現する部分を強化してきたという。ゴール前でシュートを打たせない守備、また先制点に繋がった木野のミドルシュートや竹村が決めた3点目などは取り組んできたことの成果だ。谷監督は「何のためにみんなで身体張って守って、ボール運ぶかといったらシュート打って決めるためやから、(シュートを打てるシーンで)わざわざパスすることはない。練習の残り10分、15分は抑えてミートして強いシュートを打とうとやってきた。(最近全国クラスのチームに勝てなかったために)根本的に見なおそうと。前にやったことは継続しつつ、体張った守備、シュートレンジで撃ち切るというところを春ずっとやってきました」。それがまず1勝に繋がった。
谷後が「谷先生は『これでオレらが3-0、4-0で倒したら全国驚くぞ』と言っていて。ボクも全国驚かせようと思っていましたし、世間では『弘陵、すぐ落ちるやろう』というのがあるんですけど、それをしっかり覆せるようにしたい」と語り、次節の前年王者・G大阪ユース戦へ向けては「前回チャンピオンっていうのは去年のチームの話だけであって、今年はやってみないと分からない。名古屋グランパスもボク、ビデオで見た時『めっちゃ強いな』と思っていたので。この勢いを大事にしながら、またいつもどおりにやっていきたい」。全国トップレベルの対戦相手も同じ高校生。自分たちがやるべきことを貫けば、戦えることは証明した。だが、まだ1勝。快勝の裏で課題もあった。気を緩めることができるほど、甘くないリーグであることも理解している。全国を驚かせた1勝を弾みと自信に、また課題を突き詰めて、より戦うチームとなって、強豪たちとの全18試合に挑む。
[写真]前半16分、神戸弘陵はMF竹村が右足で先制点
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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