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憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(20/20)

ゲキサカ / 2016年5月19日 22時47分

 伊藤は2005年からキャプテンを務めていたが、2006年に中村が副キャプテンに就任すると、より一層チームのことについて語り合うようになった。2007年からは伊藤がチームキャプテン、中村がゲームキャプテンとなり、ふたりでチームを引っ張ってきた。

「でも、憲剛ってキャプテン気質じゃないと思いますよ。表の顔っていうか、ピッチの中での存在感はピカイチだけど、裏のことには無頓着。逆に僕は裏でチームを回したり、いろいろ気にかけたり。だから、憲剛とも“ふたりでワンセットだな”ってよく話していたんです。互いに足りないものを補完しあって、うまくできてるなって」

 夢は、今もずっと続いている。

「昔からよく、将来の話をしてたんですよ、フロンターレについてのね。今考えたら、夢物語のようですけど、“こんなクラブにしたいよな”“こんなチームにしたいよね”って。それが、今も継続されてるっていうのがすごいと思いますよね。将来ですか? 憲剛はどう考えても現場ですよね。だから、僕は裏のほうで――」

 監督・中村憲剛と、GM・伊藤宏樹。表の顔と、裏の顔。

 いつかそんな日が来るとしたら……。

「でも、その前にタイトル獲得ですよね。憲剛が現役でいる間のタイトルと、引退したあとのタイトルとでは、価値が違ってくると思うんですよ。憲剛はJ2時代を知る最後の砦だから、僕らの想いも背負ってるというか、勝手に託している。本当は、僕やジュニ、もっと前の人たちの時代に獲れていたほうがよかったのかもしれないけど、憲剛ひとりになって獲ったほうが、ドラマチックなんじゃないかっていう気もしていて。憲剛がやめるまでに絶対に獲れると思いますよ。あいつ、“持ってる男”だから。宙に舞ってる画が見える」

 チームメイトに胴上げされる中村の姿が、彼の脳裏にはっきりと浮かんでいるようだった。

(今回が最終回になります)

<書籍概要>

■書名:残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日
■著者:飯尾篤史
■発行日:2016年4月16日(土)
■版型:四六判・324ページ
■価格:1500円(税別)
■発行元:講談社
■購入はこちら

▼これまでの話は、コチラ!!
○第19回 表の顔と、裏の顔<下>

○第18回 盟友のラストゲーム<下>

○第17回 盟友のラストゲーム<上>

○第16回 「なんで、ニッポンにいないの?」<下>

○第15回 「なんで、ニッポンにいないの?」<上>

○第14回 「トップ下に自信がなかった」<下>

○第13回 「トップ下に自信がなかった」<上>

○第12回 トップ下としての覚醒<下>

○第11回 トップ下としての覚醒<上>

○第10回 めぐってきたチャンス<下>

○第9回 めぐってきたチャンス<上>

○第8回 コンフェデレーションズカップ、開戦<下>

○第7回 コンフェデレーションズカップ、開戦<上>

○第6回 妻からの鋭い指摘<下>

○第5回 妻からの鋭い指摘<上>

○第4回 浴びせられた厳しい質問<下>

○第3回 浴びせられた厳しい質問<上>

○第2回 待望のストライカー、加入<下>

○第1回 待望のストライカー、加入<上>

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