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FC東京特別指定・中央大FW矢島が負傷から復帰、「得点のバリエーションを」

ゲキサカ / 2016年5月5日 11時38分

FC東京特別指定・中央大FW矢島が負傷から復帰、「得点のバリエーションを」

 FC東京の特別指定選手でもある中央大のFW矢島輝一(3年=FC東京U-18)が負傷から戻ってきた。3月にはFC東京U-23の一員として、J3の2試合に出場し、1得点を挙げるも、4月3日に行われた関東大学2部リーグの開幕戦・東京学芸大戦(0-0)でふくらはぎを負傷。その後は離脱が続いていたが、5月1日の東京国際大戦でリーグ4試合ぶりにピッチへ立った。

 開幕戦での負傷。ふくらはぎの打撲は重く、受傷後3日ほどは松葉杖での生活が続き、約2週間は安静にしていなければいけないほどだったという。それでも東京国際大戦での復帰を目指し、4月の最終週には練習へ復帰。「コンディションとかはまだまだでした」というが、復帰後1週間でリーグ戦に出場することになった。

 復帰戦となった東京国際大戦では、1トップを務めたが、試合後は「今日は酷かった」とうなだれた。立ち上がりこそ、前線でキープするなどして起点となったが、次第にボールに触れることができず、消える時間も多かった。コンディション不良が否めずに、徐々に運動量が落ちると後半はシュート0本。チームは1-3で今季初の敗戦を喫した。

「点も取れていないので自身の出来はゼロ点。自分は悪い状態だとしても、点を取らないといけない存在だと思うので。そういった意味でも攻撃陣を引っ張っていかないといけなかった」。約1か月ぶりに90分間プレーしたFWは反省しきりだった。

 今季は大学リーグだけではなく、FC東京U-23の一員として、J3でも経験を積んでいる。3月13日の開幕戦・相模原戦(1-0)に先発し、Jデビュー。しかし持ち味を出すことはできず。「こんな出来ではチームに必要ない。メンバー外だぞ」と厳しい言葉をかけられもしたという。それでも「あれだけ厳しく言ってもらえたほうがありがたかった」と一念発起。続く第2節・琉球戦(2-3)では途中出場となったものの、自身J初ゴールとなる得点も記録した。

「U-23の最初の試合ではプロのスピード感にのまれてしまいました。でも2戦目でこういう感覚でやればできるなと、ある程度つかむことはできたと思います」

 今季は行ける時にはFC東京の練習へも参加しつつ、週末は中央大のリーグ戦が最優先。可能なときのみ、FC東京の公式戦へ加わるという。プロの練習へ参加するなかでは「試合へ向けて100%の準備やケアの部分が全然違う」と刺激を受けたようだ。

 なかでも東京学芸大出身のMF高橋秀人から多くを学んでいるといい、「高橋秀人さんがすごく話しかけてきてくれて、帰りのバスでもずっと横に座って話してくれるので」と明かすとおりだ。

 高橋も大学生時代にFC東京の特別指定選手として、“二束のわらじ”を履いていた経緯があることから「特別指定で大学とプロを行ったり来たりで難しい状況ではあった」「大学とプロはサッカーが全く違って、スピード感になれるのは大変だった」と自らの経験を語ってくれたという。先輩の助言を受けつつ、矢島は“二束のわらじ”のシーズンを歩んでいく。

 負傷で関東大学リーグでは出遅れたものの、ここから巻き返しを図る。矢島は「技術の高さとかを肌で感じて、それを中央大に還元する立場」と自身の立ち位置を語る。

「得点のバリエーションをもっと増やさないといけないと思うし、足が速いわけではなくむしろ遅いので。準備のところでどれだけ相手に勝てるか。FC東京には同じタイプのFW前田遼一選手がいるので。盗めるものは一つでも盗みたい」と貪欲に先を見据えた。

(取材・文 片岡涼)●第90回関東大学1部L特集

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