[プリンスリーグ関東]巻き返し期す川崎F U-18、大黒柱のMF田中碧「『このチームにいてほしいな』という選手に」
ゲキサカ / 2016年5月9日 22時10分
[5.8 高円宮杯プリンスリーグ関東第5節 川崎F U-18 0-3 桐光学園高 川崎F麻生グラウンド]
昨年4位の川崎フロンターレU-18は開幕戦こそ勝利したものの、0-3で敗れたこの日の桐光学園高戦含めて4試合連続未勝利で中断期間を迎えることとなった。前半14分に先制を許したものの、大黒柱のMF田中碧(3年)やMF村田聖樹(2年)を中心としたパスワークで相手の守りを破りかけるシーンをつくり出していた。そして前半終了間際にはPKを献上したが、GK新居俊介(3年)が足で執念のPKストップ。チームは逆転への希望を膨らませてハーフタイムを迎えた。だが、後半開始後3分までの間に連続失点。桐光学園に激しさの部分でも下回っての敗戦に今野章監督は「3点目食らって心も折れかけていた。正直、何も無いゲーム」と非常に厳しい指摘をしていた。
まだ5節。田中や村田、FW宮代大聖(1年)と各学年に名手を擁し、チームの技術レベルは高い。変わるチャンスはまだまだある。その中で指揮官は「桐光がああいう形でストロングを出して戦ってくる。じゃあオレらは何をストロングにして戦うのっていうところをもう一回確認して、『止めて蹴る』でやるんだったらそれを追い求めて、でもそれだけじゃなくて桐光のそういう(闘争心、激しさ)ところも必要じゃないのというところを確認してやっていく。激しさの部分は求めてきたつもりだったんですけれども、桐光を見るとそこだけじゃ勝てないし、そこも足りない。気持ちだとかメンタルだけじゃサッカーは勝てないけれども、それは絶対に必要。それプラス桐光との差を何で見せるのなったら、きょうもいいプレーも見せていたんですけれども多少できただけなので、相手を圧倒できるまでにならないといけない」。チームとして目指すサッカーをもう一度確認してから、より高いレベルを目指して再スタートを切る考えを口にした。
選手たちにとっても非常に悔しい敗戦となった。前節の山梨学院高戦に比べると、良さを発揮する時間帯も長かったというが、2試合連続の0-3敗戦。田中は「自分たちがやれなかったことを反省して大会はクラブユースに変わりますけれども、自分たちができることをやって、流れが悪くても勝ちきる力を身につけないといけないと思います。これを機にもっともっと良いチームになれるように。しっかり(間もなく予選が始まる)クラブユースを勝ちきるチームになりたいと思います」と力を込めた。
持ち味でもあるボール奪取の部分で健闘していた田中はシンプルさを欠いた部分があったことは否めないが、それでも突破、ゲームメークまで獅子奮迅の動き。試合後はチームが勝つためにやるべきことをやる姿勢を口にしていた。「(個人として求められる部分が増えているが)自分がトップに上がるためには必要なことなんで、チームが勝てるように自分がどうプレーするのか考えないといけない。1、2年生がやりやすいようにチームの流れがつくれるようにしたいと思います」
田中は村田とともにシーズン前にトップチームのキャンプにも参加。「スピードに関しては違うというか今までやった中で異次元のスピードだったんですけど、それは今までやってきたことの延長線上にあると思っている。止めて蹴ることだったりに関してはもっともっと上げていかないといけないですし、頭の部分、判断を上げていかないとトップでは通用しなければいけないと思っています」とレベルアップの必要性を口にする。この1年、「自分はそんなに上手くないので守備だったり地味なところで『このチームにいてほしいな』という選手になって、パスだったり、ドリブルだったり、やるべきことをやってから自分の特長を出していければいいと思っています」という目指す姿となってプロへ。チームとともにレベルアップして苦しいスタートを切った現在から必ず好転させる。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
2016プリンスリーグ関東
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