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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:23連敗からのリスタート(都立三鷹中等教育学校)

ゲキサカ / 2016年5月31日 19時37分

 この変化に予兆がなかった訳ではない。6年間の一貫教育に舵を切った都立三鷹にとって、選手権で全国大会を戦った3年生は最後に高等部から入学する生徒を募った学年に当たり、その1つ下の学年は全員が中等部からの持ち上がりとなっていた。メンバーリストを見ても、名の知れた3種のチームがずらりと並んでいた前所属チームは、ほぼ全員が三鷹中等教育学校サッカー部という状況に。さらに、前期(中学課程)から後期(高校課程)へ進学する際に、“前期”のサッカー部のレギュラーはほとんど他の部活へ移ってしまっていたという。「中学校ではボールを蹴れなかったような選手が最後にはレギュラーで出ていたので、そういう意味では6年間で頑張れるものがあるのかなと思います」と佐々木監督。その点を考慮すれば“後期”での成長には目を見張るものがあったようだが、現実は厳しい。21回の負けを突き付けられた彼らの心中は察するに余りある。

 ただ、明けない夜はない。芝崎をキャプテンに頂き、新たな気持ちで迎えた昨年11月の新人戦も初戦でPK戦負けを喫し、公式戦23連敗という状況で訪れた2016年度のT3リーグ開幕戦。「1週間ぐらい前から『絶対に勝つぞ。やってやるぞ」という気持ちがチーム全体にあった」と芝崎も口にした私立武蔵戦は、前半に早見俊紀が先制点を挙げると、後半にも辻良太朗が追加点を記録する。終わってみれば2-0の快勝。「素直に勝てて嬉しかったですね。『やっと勝てた』みたいな。今まで勝てなかったのがようやく楽になったというのはありました」と芝崎。全国の応援スタンドを知る3年生2人のゴールで掴んだ勝利は、都立三鷹にとって実に519日ぶりとなる公式戦の白星。「校内ではヒドいです(笑)とくに“前期生”には『泥沼20何連敗のサッカー部だぞ』と言われていたみたいで。学校内でも先生たちから『昨日はどうだった?』『負けました』『また負けたのか』みたいなことを言われ続けてきたので、勝って少しは見返せたのかなと。少しはですけどね。まだまだ足りないですけど」とキャプテンは苦笑いしながら自らの想いを明かしてくれた。

 既にインターハイ予選も敗退している都立三鷹の今年度に、残されているトーナメントは選手権予選だけとなってしまったが、大学受験を控えている3年生は18人全員が現役続行を決断した。「1人鎖骨の折れていたヤツが『折れていたら辞める』と言っていたんですけど、ソイツも治ったので全員が『じゃあやるよね』みたいな感じで、自然にやることになりました。高校に上がる時に10人ぐらいのチームメイトがサッカー部を辞めてしまったので、『今回もそうなったら辛いな』と思っていたんですけど、全員残ったので良かったです」と芝崎も笑顔で語る。

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