ハリルがNOも“俺が蹴る”…FW浅野、PK獲得で「ボールを放さなかった」
ゲキサカ / 2016年6月4日 1時47分
[6.3 キリン杯準決勝 日本7-2ブルガリア 豊田ス]
自ら奪ったPKだ。指揮官から指示が出ようとも、ボールを放さない。そして、日本代表FW浅野拓磨はPKのキッカーをつかみ取った。
国内組のみで構成されて臨んだ昨年の東アジア杯でA代表デビューを飾った浅野にとって、この日は海外組を含めた“フル代表”デビューとなった。後半14分にFW小林悠に代わって右サイドハーフの位置に送り込まれると、自慢のスピードを武器に右サイドを疾走。6-2と大量リードを奪って迎えた同41分にはFW金崎夢生のスルーパスから右サイドを駆け上がると、巧みなタッチでPA内に進入して相手選手のファウルを誘い、PKを獲得する。
PKを獲得した瞬間から、浅野はキッカーと務めようとしていた。点差は開いており、時間も残りわずかであることから「ピッチ内では皆が譲ってくれようとしていた」が、バヒド・ハリルホジッチ監督はFW宇佐美貴史がキッカーを務めるように指示を出していた。
「監督がなかなかゴーサインを出してくれなかったけど、自分も蹴りたい気持ちがあったのでボールを放さなかった」と主張を続けると、「最後は監督がOKというサインを出してくれた」とペナルティースポットに向かう。そして、右足で放ったシュートできっちりとネットを揺らし、A代表初ゴールを記録した。
「ゴールを決めるチャンスがあれば、決めに行くのがFWだと思うし、僕はPKだろうが、ゴールという結果にこだわりたいと思っているので、皆が蹴らせてくれて良かったです」
ハリルホジッチ監督は「PKは宇佐美に蹴らせようと思ったけど、ベンチで全員が『浅野だ、浅野だ』と声を上げていた。試合も試合だったので、浅野に報酬をあげようと思ったし、彼に機会を与えて皆を喜ばせたいと思った」と振り返っている。
FWとして結果にこだわった結果、A代表4試合目で生まれた待望の初ゴールに「ゴールという形で貢献したい強い気持ちがあったので、素直にうれしい」と笑みを浮かべながらも、「ただ、全体的に見たらまだまだ課題の方が多いので、もっともっと上を目指してやっていきたい」とFWとしてさらなる成長を遂げようと意気込んだ。
(取材・文 折戸岳彦)
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