[総体]石垣島出身FW稲本が1G1Aの大暴れ!仙台育英が2年ぶりの全国へ:宮城
ゲキサカ / 2016年6月8日 20時15分
[6.6 総体宮城県予選決勝 東北高 1-3 仙台育英高 宮ス]
平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)宮城県予選決勝が6日に行われ、一昨年度優勝の仙台育英高が3-1で昨年度優勝の東北高に勝利し、2年ぶり17回目の全国大会出場を決めた。
決勝で大きな存在感を見せつけたのは仙台育英エースストライカーのFW稲本光輝(3年)だった。稲本は沖縄県の石垣中出身。仙台育英が3年前の春休みに沖縄遠征をした際、城福敬監督の目に留まった。スピードを生かした突破と、馬力のあるドリブル、豪快なシュート。洗練されていない荒削りな魅力を持つ稲本は城福監督の誘いを受け、生まれ育った石垣島を離れ、宮城県の仙台育英への入学を決断。2年生から公式戦出場を重ね、今年はチームのエースとしてかかる期待は大きかった。
決勝まで順調な勝ち上がりを見せ、迎えた大一番。前半立ち上がりは東北のボランチMF高橋勇利也(3年)、MF五十嵐健太郎(3年)らが前線へ素速く展開。FW菅野智博(3年)らが積極的にゴールを狙ったが、仙台育英はキャプテンDF三浦健太(3年)を中心に守備の集中を切らさなかった。
立ち上がりの東北の攻勢を耐えた仙台育英は稲本ともう一人のFW伊藤大(3年)にロングボールを入れ始めた。稲本と伊藤はよくボールをおさめ、特に稲本はスピードを生かしたカウンター攻撃で東北守備陣を度々脅かした。それが実ったのは26分。伊藤からのパスが相手DFへと渡りそうになるが、稲本が強靱なフィジカルを生かしてボールを奪い取り、そのままゴールへ突進。「ゴール前に出た瞬間左足で持っていたが、ケガもあってシュートは入らないと思って横を見たら選手が走っていた」と振り返った通り、左サイドからゴール前へ進入していたMF貝森海斗(2年)へのパスを選択。貝森が落ち着いて左足でシュートを決めて仙台育英が先制。そのまま前半を終えた。
しかし、後半6分、中盤のタレント豊富な東北も負けてはいない。高橋勇のDFライン背後へのパスに抜け出した菅野がシュート。GK中川絢太(3年)が一度は弾くも、こぼれ球を高橋勇が押し込み同点に追いついた。
その後は双方連戦の疲れや暑さもあり、プレー精度を欠き、膠着状態が続き、延長戦突入濃厚と思われた後半35分だった。ゴール右でFKのチャンスを得た仙台育英はMF森智弘(3年)がファーに高いボールを上げた。「信じて走った」。走り込んで放った稲本の豪快なヘディングシュートがゴールネットを揺らした。試合を決定づけるゴールで勢いづいた育英はアディショナルタイム3分にもFW高山太樹(3年)がカウンター攻撃でゴールを奪い、そこでホイッスル。エースのゴールが決勝点となり、2年ぶりの優勝が決まった。
1ゴール1アシストの稲本はスピード、体の強さ、豪快なシュートという自身の持ち味を存分に見せる大活躍だったが、「最高の仲間。試合前から雰囲気が良くて、みんなが一つになっている感じがして、全国に行けるのではないかという気持ちになった。前半から気持ち良くプレーできた」と良い雰囲気を作ってくれたチームメイトを称えた。「自分自身初めての全国大会。全国で爪痕を残したい。特長を生かしてスピードで相手の背後を突いて得点に絡みたい」。南国育ちの野生児ストライカーは全国で輝けるか。要注目だ。
(取材・文 小林健志)▼関連リンク
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