たとえ「10番」でなくても…U-23代表FW中島が受け取った指揮官からの“メッセージ”
ゲキサカ / 2016年6月28日 1時49分
手倉森ジャパン不動の攻撃の核が戻ってきた。4月に右膝内側側副靭帯損傷で戦線離脱したFW中島翔哉(FC東京)は、5月の佐賀キャンプ、そしてトゥーロン国際大会とU-23日本代表の活動に参加できなかったものの、リオデジャネイロ五輪前の国内ラストマッチとなるU-23南アフリカ戦に臨むU-23日本代表メンバーに復帰を果たした。
6月12日のJ3第12節藤枝戦(出場28分)で実戦復帰した中島は、18日のJ1第1ステージ第16節新潟戦(21分)、26日のJ3第14節盛岡戦(67分)でプレー。実戦を重ねていることもあり、「90分やれればいいけど体の部分は問題ないし、徐々に戻ってきている」とコンディションは上向きだと話す。だが一方で「ただ、もちろん良くなかったところもあるので、自分でちゃんと整理していきたい」と満足いかない部分もあるとした。それは「サッカーの技術であり、判断」だった。
2トップの一角として出場した盛岡戦では、ボールを受ける際の鋭いターンで相手マーカーを置き去りにし、一気の加速で前線まで運ぶプレーを幾度となく見せた。しかし、前半終了間際の44分に完全に抜け出してGKと1対1になった場面ではシュートを打ち切れず、後半20分にはPKの好機を得ながらもシュートは相手GKにストップされてしまった。「シュートの部分は元々課題ですが、ちゃんと決められるようにしたいし、PKも決められるようにしたい」とフィニッシュの部分での改善が必要だとした。
U-23南アフリカ戦で与えられた背番号はこれまで背負い続けてきた「10」ではなく、「13」になる。チームを率いる手倉森誠監督はその意図を「いきなり元に戻すわけにはいかない。10番に戻す力というのを、彼には表現してもらえればと思う」と説明している。中島自身は「背番号にはこだわりはない」とキッパリ。しかし、「自分だけにメッセージをくれたということは、そういう(10番の)プレーがこのチームには必要で、五輪で勝つためには自分が活躍することが必要だというメッセージだと思っている」と指揮官の期待の大きさは感じている。
国内ラストマッチに向けて、「五輪で勝つための試合だし、日本での試合は絶対に負けられない。良いプレーをして勝つのが自分たちにとって大事」と意気込みを示すと、「どんな背番号をつけていても、一番活躍できる選手になりたい」と背番号「13」を背負って自らの力を改めて証明しようとしている。
(取材・文 折戸岳彦)
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