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「東京五輪への推薦状」第18回:県立検見川の眠れる逸材、大型CB寺崎周は真の怪物になり得るか

ゲキサカ / 2016年6月30日 19時30分

 寺崎は「先輩に付いていこうと必死にやっていただけ」と振り返るが、自身のレベルアップ自体は実感してもいた。最終学年になってからは「あんなにしっかり指示を出せるようになるとは」と指揮官も驚くほどにリーダーシップも発揮するようになり、完全にチームの中軸となった。その成長曲線の急激さはベテランの指揮官にとっても「なかなかない」ものだそうで、「上背がある割にアジリティも高いので、ほとんど抜かれることがない。県1部でジェフ千葉U-18とやったときも、1対1で彼がやられるようなことはなかった。能力はかなりある。流経柏に入ったとしても普通にやれるでしょう」と言い切った。

 現状は千葉県内で徐々に知名度が出てきた程度で、本人も進路については「サッカーをやっていくのかもまだ分からない」という状態で、理系の大学に進むことも有力な選択肢に入れている。ただ、水庫監督は「どこかから声が掛からないかなと思っている」と言って、爆発的成長を遂げた教え子を「推薦」してきた。

 寺崎は「いま考えているのは選手権予選のことだけ」と言い切る。流経との試合を通じて「全国でも一番ハイレベルな高校とできて、日ごろの練習から変えないといけないと思えた」と冬のリベンジに向けて静かに意気込む。そんな選手に「五輪」をどうこう言うのはさすがに気が早すぎるが、「そこまで深く考えずに入った」という県立校にたまたま千葉の名将がいて、チームと一緒に急激な成長曲線を描いている現状は何かの縁を感じさせるものがある。

 検見川の眠れる逸材、大型の動けるセンターバック。冬に向けて寺崎周のブレイクスルーはあるのかどうか。楽しみに待ってみたい選手が、また見つかった。


執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。▼関連リンク東京五輪への推薦状 by 川端暁彦一覧へ

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