[FANATICインタビューVol.2]国士舘大サッカー部の寮でひっそり追い続けた夢~デザイナー大谷友之祐さん~
ゲキサカ / 2016年7月1日 12時5分
シビアに将来を見据えたとき、どんなに優れたプレイヤーでも、毎年プロになれるのはごく限られた人数しかいないという厳しい現実にも直面した。大学3年生を迎えたころには、サッカーでプロになろうという夢はすっかり消えていた。そんな大谷さんを救ったのが、デザインの世界だ。
「実は小さいころから絵を描くのが大好きで、大学に入ってからも、練習と授業の合間を縫って、時には一晩中、寮でイラストを描いていたんです。仲間には『国士舘まで来て、なに絵なんて描いてんの?』とからかわれていました。でも気にならなかった。むしろ、学校とグラウンドと寮を行き来するだけの小さな世界が、僕には窮屈だったんです」
大学4年生を迎えようとする春休み、一念発起してデザインスクールの短期コースへ入学。デザインの知識を学びながら、さまざまな展覧会やエキシビションを見て回った。大谷さんにとってデザインスクールへの入学は、就職活動を見据えての真剣な挑戦だった。
「監督には猛反対されました。部活を辞めると勘違いされたみたいで。でも、反対を振り切って通い続けました。監督とはその後、ちょっとぎこちなくなっちゃいましたけどね」
4年生も半分が過ぎたころ、キーパーコーチが変わった。途端に大谷さんは先発で試合に出場できるようになる。
「自分で言うのも照れますけど、かなり活躍できたんです。監督にも『大谷がいなければ試合に負けていた』と褒めてもらえた。それでサッカーに対する気持ちは完全に吹っ切れました。“最後に恩返しすることができて良かった”“これで気持ちよく卒業できるな”と思いました」
大谷さんの就職活動は実り、晴れて憧れのデザイン事務所への入社が決まった。寮でイラストに没頭する大谷さんをからかった同級生の中には、プロを断念し、途方に暮れる者もいたという。進む道が決まっていることを、多くの仲間からうらやましいと言われた。
「今はサッカーに対する未練はまったくありません。仕事が楽しくて仕方ないんです。だけど、あれだけ苦しい思いをしながら続けてきたサッカーを、過去の思い出で終わらせたくはない。いつまでもサッカーが楽しめる身体をキープしたいし、将来はサッカー関係のデザインの仕事もしたいんです。『FANATIC』をきっかけに、今後は思い切り楽しんでサッカーと関わっていけたらいいなと思っています」
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(取材・文 波多野友子)
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