1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

[MOM387]日本体育大FW太田修介(3年)_警告覚悟の『I play for 小佐野一輝“ありがとう”』

ゲキサカ / 2016年8月9日 21時39分

 「本当に申し訳なくて、『全国で見せてやろう』という風に思っていました」と気持ちを新たに大阪の地へと乗り込んできた。その初戦でいきなりチームを勝利に導く大活躍。聞けば大学の門を叩いてから、公式戦でのハットトリックは初めてだという。

 このタイミングでの巡り合わせに「絶対に小佐野さんの力もあると思います」と試合後に言い切った太田。アンダーシャツに込めた想いを最高の形で表現してみせた教え子のプレーを、恩師はどこから見守っていたのだろうか。

 小佐野さんとの間には約束がある。「ユースを卒業した時に『4年後に絶対甲府に帰って来いよ』と小佐野さんが凄く強く言ってくれて、『絶対に小佐野さんの気持ちに応えなきゃ』と思ってきました」という太田は、現状としてチームのレギュラーが確約されている訳ではない。

 それでも「自分がスタメンで出られていないのは、安定していない所が大きいと思うので、もっと安定したプレーの中でああいう背後の動き出しというのをスペシャルな部分として出せたら、もっと良くなるんじゃないかなと思います」と自己分析はできている。

 鈴木監督も「この間まではすぐにオフサイドになっちゃうとか、全然だったんです。でも、アイツの一番の特徴でもある、ボールの状況を見てから動き出すタイミングの練習をずっとやってきたことで、ここに来て少しずつ良くなったので、今日の向こうのバックラインだったら、太田の背後が合えばバッチリ点が取れるかなということで送り出しました」と、彼の“スペシャルな部分”への信頼は厚い。その部分を最大限に磨きつつ、さらなる成長を続けた先にレギュラーへの道が、ひいては甲府へと帰るための道が続いていることは太田自身が誰よりも一番よくわかっているはずだ。

 この日の活躍に“見えないチカラ”が働いていたのは、第三者から見ても明らかだったように思う。実はこの前日、甲府U-15出身で関東学院大の正守護神として今大会の初戦に臨んでいたGK古屋俊樹(2年=山梨学院)も、PK戦で2本のシュートストップを披露し、チームの勝利に大きく貢献している。単なる偶然と言えばそれまでだが、単なる偶然で片付けたくない気持ちもある。ただ、いつまでも恩師に頼ってばかりはいられない。

 「甲府に戻りたいという気持ちは強いですね。小佐野さんが亡くなってから、より一層想いが強くなりました」と言葉に力を込めた太田。少しずつ見えてきた『歩むべき道』を立ち止まることなく進み続け、その先に待っている約束の場所へと帰還するために、自らのすべてを捧げる覚悟は整っている。

(取材・文 土屋雅史)●第40回総理大臣杯特集

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください