[MOM393]桐蔭横浜大GK田中雄大(3年)_“視覚と聴覚に訴えかけろ”、ポリシー貫いたGKがPK2本ストップ
ゲキサカ / 2016年8月20日 22時45分
[8.10 総理大臣杯準々決勝 桐蔭横浜大0-0(6PK5)立命館大 ヤンマースタジアム長居]
PK戦特有の静けさを伴ったピッチ。キッカーが集中力を高める中で「っしゃー!来い!」と一段と力強い声が響く。その主は桐蔭横浜大のGK田中雄大(3年=青森山田高)。相手キッカーの“視覚と聴覚に訴えかける”叫び。それが功を奏したか、田中は2人のシュートをストップ。0-0(PK6-5)という勝利の立役者となった。
シュート数では15本と相手の7本を大きく上回った桐蔭横浜大だが、最後までゴールネットを揺らすことはできず。0-0で110分間を終え、PK戦を迎える。
「(GKの)自分が後攻だとプレッシャーが来ないんですけど、蹴る側が後攻だとすごくプレッシャーがかかってしまうので。蹴る側のことを考えると、先攻で蹴らしてあげて、そのあとに自分が止めるというのが、キッカーにはプレッシャーがかかりにくいのかなと思いました」と、田中は先攻を志願。守護神の願いは届き、桐蔭横浜大が先攻となってPK戦は幕を開けた。
先攻・桐蔭横浜大の一人目が成功させ、後攻の立命館大がボールをセット。審判の笛が鳴る直前に「っしゃー! 来い!」という声が響き渡った。ゴールマウスにどっしりと構え、大きく手を広げた田中が叫んだものだった。その後も立命館大のキッカーが蹴るたびに3年生GKは声を張った。
「青森山田高の時に、黒田剛先生から“視覚と聴覚に訴えかけろ”と。“大きく見せて視覚に訴えて、声を出して聴覚に訴えて”というので、相手にプレッシャーを与えろと言われたので。それを今でも出来るときはやっています」
今大会の関東予選にあたるアミノバイタル杯準決勝・国士舘大戦(2-2PK3-1)では、一人目のキッカーの際にこの“秘技”をつかったところ、主審から注意を受けて、封印せざるを得なかった。しかし、この日の主審はスルー。最後まで心置きなく、相手の視覚と聴覚に訴え続けた。
互いに外すことなく迎えた4人目。桐横大のMF山下優人(2年=青森山田高)が成功させる。続く立命館大MF清水航輔(3年=京都U-18)のシュートを田中が指先で弾いた。右手先をかすめて抜けたボールはポストを叩き、外へ転がった。
「両手ではなく片手一本でいったので、弱くなってしまい、上手くボールを弾けなかった。触った後に、ポストの音が鳴ったので。“やばい、入っちゃったかな”と思ったら。ボールはゴールの中になかった。あぁ止めたなと思いました」
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