三度目の決勝で悲願達成、明大DF小出「どこのチームの誰よりも、優勝したい気持ちが強かった」
ゲキサカ / 2016年8月15日 22時1分
[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]
重く重く、その肩にのしかかっていた荷を降ろした。3年前、そして1年前にも総理大臣杯決勝の舞台に立ちながら、涙を呑んでいた明治大。ようやく“三度目の正直”で優勝を果たした。誰よりもホッとした表情を浮かべていたのはDF小出悠太(4年=市立船橋高)だった。
1年時から明治大のCBとして、トップチームでプレーしてきた小出。2013年大会では、ルーキーながら決勝の舞台にも立った。しかしチームは流通経済大に2-3の敗戦で準優勝。
「それまでの試合はやれているという感じで、自信もあったんですけど。決勝戦に至っては身体で負けたり、失点も許してしまって、本当に何もできなかった。全国優勝の厳しさは分かっていましたけど、改めてそれを思い知った。次またリベンジしてやるという気持ちでした」。闘争心に、より火のついた大会だった。
2014年度は全国切符を逃したものの、昨季は2年ぶりに夏の全国へ戻ってきた。そして、忘れ物を手にするべく決勝進出。FW和泉竜司(現・名古屋)やMF差波優人(現・仙台)、当時3年生だったDF室屋成(現・FC東京)らを擁する万全の布陣で挑んだ。だが、結果は厳しいもの。関西学院大に0-2の零封負けで、またも涙した。
当時を振り返った小出は「去年の決勝での敗戦は、1年生のときよりもめちゃくちゃ悔しくて。このメンバーで優勝できないなら、いつ優勝できるのか? とも思ったんです」と打ち明ける。
全国優勝という壁の高さを二度も目の当たりにし、心は折れかけた。それでも同級生と話し合いを重ね、「まだチームには足りないものがある」と日々の練習へ取り組んだ。納得がいかなければ対話を繰り返し、遠慮なく要求もした。ぶつかりあう日々で組織としての円熟度は増していった。
そして、最上級生として迎えた今大会。小出は決勝の舞台へ戻ってきた。決勝・順天堂大戦では、冷静に最終ラインをコントロール。前半15分の先制後は守備に追われる時間が続いたが、慌てることなく責務を果たした。全国決勝の舞台では一瞬の隙も許されない。過去二度の経験は、身体と心に刻み込まれていた。研ぎ澄まされたプレーで相手の攻撃を断ち、的確なビルドアップでチームを支えた。そしてチームは完封勝利で悲願の日本一に立った。
紫紺のCBは「自分にとって三回目の決勝の舞台だったので、どこのチームの誰よりも優勝したい気持ちは強かった。それを成し遂げられて、とりあえずホッとしているというか。“三度目の正直”で優勝できたなという気持ちです」と微笑む。
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