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青赤10番から水戸を経て…看護助手との二束のわらじ、VONDS市原MF二瓶翼

ゲキサカ / 2016年8月28日 10時17分

「俺の時だけブーイングがあって、なんでかなと思ったんですけど。多分ユース時代にFC東京だったから、ヴェルディとの関係性からブーイングになったのかなって。でも逆にわくわくというかやる気が出ましたね」

 2列目右サイドへ入っては幾度もドリブルで仕掛けたは存在感をみせた。なかでも目立っていたのは、相手左SBの安在和樹との攻防。同学年でユース時代からマッチアップすることも多かった二人は、熱くやりあった。両者がもつれて倒れこみ、安在が二瓶を起こすシーンもあった。

 安在が「対峙することは多かったから、負けたくないなと思ってやりました」と言えば、二瓶は「そりゃあもう気にしましたよ」と言う。二瓶が水戸在籍時に出場した東京V戦は、2013年6月8日の1試合のみ。後半31分からの出場だった。当時、安在は出場していなかったため、二人はユース時以来にピッチで再会した。

 何度もドリブルで仕掛けては東京V守備陣を翻弄した二瓶だが、安在とマッチアップしたシーンではかわすことができずに止められた。東京Vの6番が「自分が対峙したときは抜かれることはなかったけれど、他の人はよく抜いていたし、やっぱり脅威だなと思いました」とJ2戦士としてのプライドをのぞかせつつ話せば、二瓶は「ユースのときからマッチアップしていましたけど、相変わらず口も達者ですし、厄介な男でした」と笑った。

 ともにマッチアップして「楽しかった」と少し感慨深げに言い、安在は「自分はがんがん潰しにいっていたので。でも相手のキーマンだし、潰していかないといけないと思って。そこは楽しみました」としたり顔。

 二瓶は「やっぱり元々自分がいたカテゴリーだったので、チャンスだなと思いましたし、顔見知りがいっぱいで楽しかったです」と言い、「(東京Vは)変わっていないなと。ずる賢い感じがヴェルディらしくて、本当に変わっていなくて、嬉しかったです」とかつてのライバルチームとの邂逅を喜んでいた。

 この日の二瓶は0-2の後半12分には得点も記録。FW柏瀬暁が仕掛けてのボールを受けると、前進して右足シュート。豪快なミドルシュートはクロスバーの内側を叩き、大きくワンバウンド。跳ね上がったボールはゴールネットを突き上げた。

 強烈な一撃だったが、市原で戦う15番は「得意なプレーのひとつがミドルシュート。打てるときはどんどん打っていこうと。あの一瞬だけタイミングがあったので、一か八か打ってみようと。しっかり当たってくれて良かったです。普通に打って、何も意識してないですけど、あれ(あの球威)なんです」と言うと、シュート威力の“秘訣”は「足の短さが……多分それかな?」と茶目っ気たっぷりに話した。

 「このチームに入ったからこそ、上にあげないといけないという責任がある」とかつてJ2で戦ったMFは言う。「これからも常に全力で取り組んでいきたい。結果的に負けてしまったけれど、内容は自信が持てるものでした。これをJFL昇格につなげていきたい」。

 J2相手の90分間で得た自信を胸に、二瓶は市原の“キーマン”として戦い続ける。サッカーへのぶれない想いと真摯な姿勢を貫き、どこにいても、いつまでも、挑戦者として戦う。誰よりも楽しそうにボールを追い続ける先に、刺激的な未来はやってくる。

(取材・文 片岡涼)●第96回天皇杯特設ページ

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