[選手権予選]両校合わせて全国出場19回、13年度全国8強の修徳が伝統校対決を5発で制す!:東京B
ゲキサカ / 2016年9月11日 7時12分
[9.10 選手権東京都Bブロック予選1回戦 修徳高 5-1 暁星高 駒沢補助]
10日、第95回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選1回戦が行われ、13年度全国8強の修徳高と暁星高との一戦は5-1で修徳が快勝。修徳は18日の2回戦で帝京高と戦う。
全国高校選手権出場歴は修徳が9回で暁星は10回。伝統校同士が顔を合わせた1回戦屈指の好カードは修徳が制した。修徳はタッチライン際に陣取った控え選手たちが湧くようなシーンを連発。控え選手たちは切り替えの速い守備で相手の攻撃の芽を摘んだり、相手のパスを身体ごとブロックしたり、“修徳らしい”プレーにすかさず反応してピッチのイレブンを鼓舞。選手たちもそれに応えるような会心の内容で2回戦へ駒を進めた。
立ち上がりは暁星ペース。ロングスローを交えて攻めると5分、右サイドでセカンドボールを回収したMF稲葉保(3年)の折り返しをMF中尾豊(3年)が右足で狙う。これはポストを弾いたものの、立ち上がり勢いがあったのは暁星の方だった。修徳の岩本慎二郎監督が「あそこで入れられていたら分からなかった」と振り返る序盤の攻防。だが、前半6分の先制点が修徳へ流れを傾ける。修徳は右SB浅田元貴(3年)が自陣で奪ったボールをすかさず右サイド前方のスペースを突いたFW薄井亮祐(3年)へ繋ぐ。縦へ切れ込んだ薄井がクロスを入れると、DFに当たってコースの変わったボールがニアサイドのゴールネットを揺らして先制点となった。
暁星は最終ラインでのワンツーなどで相手のプレッシャーを剥がしながらボールを前進。またGK竹内瑠架(3年)のロングキックや縦パス、クロスが修徳DFラインを襲った。だが、修徳はともに180cmを越える古場幹朗(2年)と吉田龍世主将(3年)の両CBや身体能力の高さを示していた浅田らが力強いヘッドで跳ね返す。また相手のサイドからの仕掛けを献身的な守備の光ったMF千代田和樹(2年)や左SB深澤佑太(2年)が身体を張って阻止していく。相手CB田島翔(3年)が左サイド後方から蹴りこんだFKがクロスバーを叩く幸運もあって1-0で試合を進めた修徳は10番MF佐藤颯(3年)の仕掛け、好パスなどで攻め返すと22分、大型FW望月翔(3年)が前線で競り勝つ。このボールを拾ったFW松岡佑輝(3年)が一気にPAへ抜け出して右足で2点目のゴールを決めた。
暁星もPAへ攻め込むシーンをつくるが、修徳は抜け出そうとした中尾の突破を吉田が一発のタックルで止めるなど追撃を許さない。逆に最終ラインがクリアボールをスペースへ落としたり、前線に当てるなど精度の高いキックも攻勢に繋げていた修徳は41分、前線でボールをおさめた望月が右中間のスペースを突いた薄井へパス。これでGKと1対1となった薄井が冷静に右足シュートを決めて3-0とした。
修徳はさらに後半5分、岩本監督が「(前線にいると)相手が嫌なことは確か」と評する望月から三度ゴールが生まれる。右サイドへ抜け出した望月のクロスを幅広い動きでチームに貢献していたMF牧野純己(3年)がダイビングヘッドで押し込んで4-0。その後も積極的にPAでの崩しに絡んでくる佐藤や松岡の動き、また浅田の右足FKなどで攻めた修徳は28分、交代出場の1年生FW刑部泰生が粘って繋いだボールを松岡が頭で合わせて5-0とした。暁星も28分に稲葉が決めて暁星スタンドを沸かせたが、修徳はGK鈴木晟一(2年)の好セーブなどによってそれ以上の得点を与えず。伝統校対決を快勝した。
修徳は3年前の全国8強を見て入学してきた世代だが、当時の選手たちに比べるとまだまだ頼りない部分も。岩本監督は「全然強くない。反発じみたものが感じられない」と厳しい指摘をする。なかなか気持ちが前に出てこなかったが、それでも初戦直前にも加えられた走りのメニューなどを経て「昨日から声が出ていい雰囲気でした」(松岡)というチームは会心のスタートを切った。松岡が「(手応えは)かなりあります。背がデカいんで空中戦で負けない」という高さと、決して走り負けしないタフさ。荒削りだが、面白味のある選手が揃うチームは一発勝負での強さも発揮して全国を狙う。暁星との伝統校対決を制した修徳の次の対戦相手は同じく伝統校の帝京。指揮官が「こいつらは最初から強いチームがいいと思います」という激戦区で修徳は勝ち続けながら、逞しさも加えていく。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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