[NB CHAMPIONSHIP U-16]インハイ4強で下級生も意識向上の昌平、大雨の中で気迫の1勝
ゲキサカ / 2016年9月18日 21時57分
[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16予選リーグ第3節 昌平高 1-0 静岡学園高 時之栖うさぎ島G]
全国の強豪32校の1年生たちがトップレベルの戦いの中で切磋琢磨し、成長を目指す「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2016」は18日午前、予選リーグ最終節を行い、Aグループの昌平高(埼玉)対静岡学園高(静岡)戦は1-0で昌平が勝利。最終節に初白星を挙げた昌平は3位トーナメントへ、首位をキープした静岡学園は1位トーナメントへ進出した。
この日、試合会場の静岡県裾野市は朝から大雨に見舞われた。ウォーミングアップ場が冠水して使用できなくなり、試合ピッチも大半が水に覆われているような状況。まともにボールが飛ばず、セットプレーの際には数人の選手が溜まった水を手でかき出してボールを置くようなシーンもあった。この日、1日で計3試合を予定されていた選手たちにとっては非常に激しい雨と風、そして連戦の過酷なコンディションの中での試合となったが、熱い戦いを見せる。昌平がMF木下海斗やMF丸山聖陽の配球から、MF伊藤雄教のスピードやMF渋屋航平のコンタクトの強さなどを活かした攻撃で相手ゴールに迫り、一方の静岡学園はMF村瀬貴爾らが浮き球を巧みに使ってボールを運び、最後の局面ではFW宮形玲央の力強さも加えてゴールを奪おうとする。
唯一のゴールは前半18分に生まれた。昌平は木下の右FKを中央へ飛び込んだ右SB松本春人が頭で決めて先制。静岡学園はPA近くまでボールを運び、シュートシーンも作り出したが、昌平はCB常田航凛やCB吉田航が守備能力の高さを発揮。簡単には決定機を作らさず、最後まで1点を許さなかった昌平が1-0で勝利した。
昌平のAチームは今夏、初出場した全国高校総体で東福岡高や静岡学園高を撃破するなど4強入り。埼玉の新鋭は全国舞台で大躍進を遂げた。司令塔のMF針谷岳晃はU-19日本代表に選出され、その針谷や10番MF松本泰志はJクラブの練習に参加し評価を得ている。その先輩たちについて松本春人は「練習見ていても意識が高くてすごい。自分もああいう風に。すごい憧れます」と口にする。3年生たちの活躍は後輩たちの意識も高めている。
昌平の内山秀輝コーチは「インターハイベスト4に入ったことをもっと理解していかないと上にいけない」という。ベスト4へ行くチームの取り組み、また今後、よりマークがキツくなる中でそれを乗り越えるために何をしなければならないのか。内山コーチは「(1年生には)ポテンシャル自体はある子が多い。勝ちきれないところとか勝負強さがまだ足りない部分でそこはもっともっと詰めていかないといけない。ここからさらに個のレベルアップを重点的にやっていきながら、チームとして良くなっていければ」と期待した。
最終節に挙げた1勝を素直に喜んだイレブン。今大会ではなかなか攻守が噛み合わず、自分たちから崩れていた。全国トップクラスの対戦相手から勝利することの難しさを体感できたことは大きい。そして悪コンディションの中で「気持ちのところを前面に出しながらやっていければいいと思っていた」(内山コーチ)「絶対に勝とうとみんなで話していたのですごい気合い入れて臨みました」(松本春人)というチームは気迫で名門から白星。奪い取った1勝を今後に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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