長谷部誠が語る、勝つために必要な厳しさは…「ピッチの外から始まっている」

――仲間への信頼が薄かったのは、「ライバル」心が強かったということでしょうか?
「いえ、そういうことではないんです。『どうしてああいうプレーをしたんだ』とか、『なんでここにボールを出さないんだ』とか、味方に要求する部分で度が過ぎていたなと、いま振り返るとそう思います」

――それはご自身に対する厳しさの裏返しでもあるのでは?
「どうですかね……。自分がしっかりプレーできていないときもあったんですけど、そういうときでも味方に言っていたので……、それは筋が違うと思います」

――最後に、高校選手権を目指す高校生に向けてアドバイスをお願いいたします。
「いまはさまざまな情報があって、監督やコーチも勉強していて、自分たちが高校生だったころとトレーニングのやり方やサッカーを取り巻く環境は確実に変わってきています。一方で、変わらない部分もある。僕が海外に出て感じているのは、ピッチの上でのことは、ピッチの外から始まっているということ。そういった意味でも、やはりある程度の厳しさは必要になってくると思います。それは自分自身に対する厳しさであり、仲間に対する厳しさでもある。楽しくサッカーをやるのはもちろん素晴らしいことですが、同時に勝負事になったら『絶対に負けない』という気持ちが大事になってきます。たとえミニゲームでも負けたら悔しがる。そういった気持ちを求めていったほうが、ひとつひとつの事柄に対する、『喜び』や『悔しさ』の感じ方が変わってくると思います」

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(取材・文　奥山典幸)