[国体少年男子]「アクションサッカー」貫徹した広島県が2戦連続0-2から逆転!新潟県を延長戦で破って4強入り!
ゲキサカ / 2016年10月4日 21時21分
先制したのはその新潟だった。後半15分、新潟は小林のインターセプトから右CKを獲得。谷内田が蹴り込んだCKを中央へ飛び込んだCB入山慶斗主将(新潟明訓高2年)が頭でゴールへ突き刺す。我慢強く戦っていた新潟はベンチ前で喜びを大爆発。さらに20分には右サイドで粘った小林が繋ぎ、DFを引きつけた谷内田が絶妙な斜めのラストパス。これを外山が左足でゴールヘ突き刺して2-0とした。
広島にとっては宮崎県との2回戦に続く2点ビハインド。だが、岩成監督が「この国体は70分ゲームなので70分で勝つことを考えようと。取られるかもしれないし、取るかもしれない。(1分あればゴールは決まるものなので)一喜一憂しないで70分でやり切ろうと。焦りはなかったですね」と振り返る広島は焦れずに、ボールを確実に前進させていく。そして23分、MF大堀亮之介(広島ユース、1年)の強烈な右足ミドルから最後は交代出場のMF佐々木達也(瀬戸内高1年)が追撃ヘッド。1点差とした広島は大堀のミドル弾や山口の決定的なヘッドなどでゴールを襲い続けるが、新潟は好反応でゴールを死守する藤田を筆頭に入山、CB小泉善人(帝京長岡高1年)らDF陣もゴール前の局面で必死に足を伸ばすなど身体を張って守り続ける。
それでも上回った広島の執念。試合終了間際の後半35分、広島は鈴の右クロスを新潟のGK、DFがクリアしようとしたが、それが小さくなり、最後は佐々木が右足で同点ゴールをねじ込んだ。劇的な一撃に大興奮の広島イレブン。2-2で突入した延長戦後半には新潟・谷内田が試合を決めるようなプレーを見せる。延長後半6分、MF押久保汐音(新潟U-18、1年)の右クロスから決定的なヘディングシュート。だが、これはGK稲田蓮(高陽高1年)のファインセーブに阻まれ、直後の左CKから直接ゴールを狙った一撃は惜しくもクロスバーを叩いた。またFW藤田凌央(新潟明訓高2年)のパワフルな突破などで広島を苦しめた新潟だったが、佐々木が「ホンマ、神です。奇跡です。自分たちの強さは諦めないところだと思います」と評した広島が2試合連続となる0-2からの逆転勝ちを果たす。
攻撃参加したDF大越がワンツーから右足シュートを放つなどこちらも攻め続けていた広島は延長後半アディショナルタイム、中盤中央でインターセプトした東が持ち上がって右前方の山口へパスを通す。これを受けた山口が縦の動きから右足一閃。「逆転できると思っていました。最後の最後まで諦めずにやったことが繋がったと思います」というMFの渾身のシュートが逆サイドのゴールネットを破って決勝点となった。新潟がPK戦を想定してGK藤田をGK橋本秋弥(開志学園JSC高1年)にチェンジした直後の劇的な一撃。勝利を決めた広島が喜びを爆発させた一方、新潟イレブンはピッチに倒れ込んだ。
広島は現U-19日本代表のGK大迫敬介(広島ユース)や先月に鹿島加入が発表されたMF安部裕葵(瀬戸内高)らを擁した昨年は優勝候補に挙げられながら2回戦でPK戦敗退。昨年ほどの個性は無いかもしれないが、岩成監督は「理解力がある子が凄く多いので、苦労した印象はないですね。これからの伸びしろがあると思います」と期待を寄せる世代だ。「アクションサッカー」で攻め続けるチームは抜群の勝負強さも発揮して、第25回大会の選抜チーム大会移行後、初となる国体制覇まであと2勝。山口は「絶対に優勝します!」と宣言した。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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