[MOM1909]川崎F U-18MF道本大飛(3年)「試合を決められる選手になる」。40分の明暗を生んだ値千金の決勝点!
ゲキサカ / 2016年10月10日 1時49分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.9 Jユースカップ1回戦 川崎F U-18 2-0 湘南ユース 等々力]
時計の針は前半40分を指し示していた。このまま0-0でハーフタイムだろうというのが大方の見方だったに違いない。何しろ、そこまでお互いに流れの中でのシュートがゼロ本。ボール支配率では川崎フロンターレU-18が上回っていたとはいえ、ゴールの気配はさほどしていなかった。「相手(湘南)のムードだった」と、MF道本大飛も振り返る。
だが、どんなに均衡した状態で試合が推移していても、ワンプレーから明暗が分かれるのがサッカーである。前半終了5分前という時間に湘南が見せてしまった間隙を川崎Fの選手たちは見逃さなかった。奪われたボールを奪い返した速攻返しのような流れだった。MF大曽根広汰のパスをゴール左寄りの位置で受けたのは、左MFの道本である。
「(宮代)大聖がスペースを空けてくれたところに入ったらいいパスが来て、いいところにトラップできた。GKは見えていたので、右に蹴る振りをしてニアを狙った」(道本)
相手のマークを「外して」、ボールを「止めて」、シュートを「蹴る」。トップチームの風間八宏監督が伝えるサッカーそのまま体現したようなフィニッシュがゴールネットを揺らし、貴重な先制ゴールとなった。
「今年は余り点を取れていなくて、チームに貢献できていなかった」と言う男は、大会の初戦で見事にチームを勝利に導く一発を決めてみせた。今野監督は「元々10番タイプで技術はある。課題はオフ(・ザ・ボール)のところだったが、いまは練習からキレがあって意欲的。(大会への)思いを感じていた。よく決めてくれた」と、殊勲の決勝点を叩き込んだ3年生を称えた。
来年は関東の大学へ進学し、技を磨く予定。「4年後、プロになることしか考えていない。ここぞというときに試合を決められる選手になりたい。そういう選手でないと上に行けないと思う」と向上心を持って取り組んできた。このJユースカップは高校生活で最後のカップ戦となるが、「(4強だった)夏より上に行きたい」と、熱く闘志を燃やしている。
(取材・文 川端暁彦)▼関連リンク
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