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[NB×北照高]「考えろ」から「考える」に変えて全国総体初出場!ホンモノであることを証明する冬に

ゲキサカ / 2016年10月20日 7時38分

 その攻撃スタイルに加えてチームにとって大きかったのが考える力を身に着けたことだ。宇佐美監督は言う。「子供たちのいいところ、ストロングポイントを出させてそれをピースにすれば面白いだろうなと。(監督に就任して取り組んだのは)この場面ではこうだよ、この場面ではこうするんだよじゃなくて、この場面になったらどうするの? という試みですね。それを『考えろ』から『考える』っていう風に変えたんですよ」。それまでは試合を振り返るミーティングでもトップダウンで指導者が意見を全部伝えてそれで終了していた。それを変えた宇佐美監督はチェックシートを準備し、選手たちに試合前にやるべきこと、やってはならないことを文字にさせて、試合後には良かったこと、また「ボールを失う回数が多い」「DFラインが不安定」など悪かったことを書かせるようにした。「自分たちの感じたことをしっかり頭のなかで整理して、喋れなくても書くことで次どうするのかと整理させた」(宇佐美監督)。

 加えてチームは週1回、クラブ活動に当てられている月曜日午後の授業時間に小論文を書く取り組みをスタート。課題文となる新聞記事を読んで400文字の中で序論、本論、結論付けて文章を書き終わった選手から教室を離れていく。最初は文章として成り立っていなかったというが、「小論文をする事でいろんな角度から物事を観る事ができる。相手の逆を取れる次の展開が予測できる様になりました。また、考える習慣を身に付ける事で優先順位ができる様になる。自分はどうしてこう考えたのか、サッカーでもこれを徹底したいとかどんどん出させて。今は9割方の子が書けるようになっています」(宇佐美監督)。考えて自分の意見を整理して言葉にする活動。丹野が「やっていくうちに文字で書くってことは頭で考えることで、頭で考えていたら試合中言葉にして来なかった人も自分たちで考えるようになって、言葉を発信することにも繋がりました」と好影響を口にし、GK齊藤歩夢(3年)も「最初は何だと思いました(微笑)。でも、書いて人に伝えることは大人になっても、大学になっても使えると思います」と語ったように、サッカーだけでなく将来へ向けても活かされそうだ。

 全国総体は初戦で香川西高(香川)に0-8で大敗。前半や0-2の後半開始直後に1点を返していれば、流れを変えることができたかもしれない。だが、逆に足が止まり、点差を広げられてしまった。できたこともあったが、できなかったことも多かった夏。そこから考えて、変えてきた部分がある。左SB山口海人(3年)が「(課題について確認し)Aの人からBの人とかチーム全体の底上げをやって来ることができたと思います。ボクらは速さに対応する能力がなかったと思いますし、自分たちのサッカーをする力もなくてあとパスコンとか基礎の所が足りなかった。(その課題について)個人個人が練習中から声を掛け合ってできたと思います」と語ったように、経験した全国から考え、磨いてきたことを選手権のピッチで表現する。

 選手権は無印で勝ち抜いた総体よりも間違いなく厳しい戦いになる。エースの武井は「全国出たってことで北照に対する目線も変わるし、プレッシャーも強くなると思うんですけど、全国出たからにはその看板とかもあるし、選手権で厚競(厚別競技場、準決勝以上を開催)行ったことないので、選手権で初めて小樽から厚競行ったチームになること。そこで歴史を作りたいですね」と語り、齊藤は「全国っていう舞台は凄く緊張したし、暑さも北海道と違って全部が初体験だった。でも全部経験したんで次選手権で全国行って、まずは1勝したい」と誓った。今年、歴史を変えてきたイレブンだが、まだまだ満足はしていない。まずは選手権北海道予選で北照史上初となる4強入り。そして全国で大敗した雪辱を全国で果たすためにも、優勝して全国舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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