かぶった森谷に「どけ!」 鮮やかカウンターで憲剛がダメ押しゴール
ゲキサカ / 2016年10月22日 19時11分
[10.22 J1第2ステージ第15節 川崎F2-0広島 等々力]
最後に試合を決めたのはやはり背番号14だった。川崎フロンターレの1点リードで迎えた後半アディショナルタイム。広島はCKのチャンスを獲得すると、GK林卓人もゴール前に上がってきた。しかし、MF柴崎晃誠のキックは川崎Fの選手がクリアし、セカンドボールをつなぐ広島に対し、右サイドのタッチライン際でDFエウシーニョがボールをカット。そのままドリブルで駆け上がり、カウンターに出ると、DF登里享平、FW小林悠とつないでMF中村憲剛にラストパスが通った。
「CKからのカウンターだったと思うけど、(GKの)林選手も出てきていたし、絶対にチャンスになると思って、残る力を振り絞って走った」。MF森谷賢太郎と並走する形で小林からのパスに走り込んだ中村だったが、動きがかぶった森谷に向かって思わず「どけっ!」と叫んでいたという。
「(森谷)賢太郎が最後までかぶっていたので、『どけ』って。『オーケー』か『どけ』か忘れたけど」。そう笑った中村は林と1対1で対峙してからも冷静だった。「最初は(林)卓人の間だったので、ステップを踏むことで最後は自分の間で打つことができた。コースは見えていたし、だいぶ落ち着いていた」。右足でゴール右隅に流し込み、2-0とダメを押した。
「『どけ』と言った手前、これを外したら何を言われるか分からないなって、いろいろ考える時間があった」。冗談交じりにシュートの瞬間を振り返ったが、この一戦に懸ける思いもあった。今月12日に風間八宏監督の今季限りでの退任が発表され、迎えた初の公式戦。「このメンバー、スタッフでやれるのはあと2か月。悔いなく1試合1試合全力を尽くそうという話はしていた。苦しい試合だったけど、そういう思いが最後に出たのかなと思う」と力を込める。
年間首位の浦和を勝ち点1差で追走する川崎F。第2ステージも残り2試合で首位・浦和を勝ち点6差で追い、わずかながらに逆転の可能性を残している。「自分たちはとにかく勝ち点3をつかまないと先に進まない。最近は勝ったり負けたりが続いているので、次のアウェー鹿島戦は絶対に勝たないといけない」。年間勝ち点1位、そして悲願の初タイトルへ、“風間フロンターレ”の集大成を見せるつもりだ。
(取材・文 西山紘平)
●[J1]第2ステージ第15節 スコア速報
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