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[選手権予選]2年前0-6で敗れた盛岡商に同じ準決勝でリベンジ!専大北上が延長戦制して初V王手!:岩手

ゲキサカ / 2016年10月27日 8時35分

 盛岡商はこの後、ボランチの谷地朝日主将(3年)をCBへ移して蟻田のスピードに対応。それでも専大北上は我慢強い守りから蟻田と10番FW齊藤大河(3年)がチャンスを作り出していく。それでも次の1点を奪ったのは伝統校・盛岡商の方。後半17分、MF添田裕也(2年)の左CKをCB泉山凌馬(3年)が豪快にゴールヘ突き刺して2-1とした。だが、専大北上は27分、蟻田が獲得した中央左寄りのFKから小野寺が右足を振り抜く。クロスバー下側を叩いた一撃はそのままゴールラインを越えて同点ゴールとなった。

 盛岡商はMF吉田陸(3年)とMF日下奈樹(3年)のゲームメーク、添田のドリブルなどから三度勝ち越しを狙ったが、専大北上は29分に盛岡商FW村井勇仁(1年)の決定的なヘッドを1年生GK藤原波瑠がスーパーセーブ。CB佐藤隆之介(3年)やCB五内川歩(1年)、小野寺中心の守りで必死に食い下がる。この後互いに決定機を作りながらも奪えなかった3点目。2-2で突入した延長戦では、後半半ばに足を攣らしていたMF畠山侑希(2年)が走り続けて逆に決定機に絡み、キレが落ちない齊藤ら専大北上の勢いが盛岡商を上回っていく。

 チャンスで決めきれなかった盛岡商は延長後半5分に泉山の放った右足FKも右ポストを直撃する不運。一方、徹底して相手の背後を狙って決定機を作り出した専大北上は6分に蟻田の抜け出しから齊藤が決定機を迎えるが、これはGK阿部に止められてしまう。小原監督も「相手がスピードある選手を嫌がっていたのでDFの裏に蹴れよと。(このシーンでは)何で外すんだと思いましたけれど」と苦笑したが、それでも直後の右CKから齊藤が決勝点を奪う。蟻田がCKを蹴り込むと、ニアサイドの齊藤が「ニアという練習どおりの形だったので当てるだけでした」と右足ダイレクトシュート。ゆっくりと転がったボールはそのままゴール左隅へ吸い込まれた。「何が何だかわからなくて。決まったら(スタンドへ)行くしか無いと、喜ぶしか無いと思ったので走っていきました」という齊藤を筆頭に緑のユニフォームが専大北上応援スタンドへ押し寄せ、決勝点の喜びを爆発。この試合初めてのリードを奪った専大北上がそのまま3-2で勝利して決勝進出を果たした。

 次は初優勝を懸けて岩手2強のもう一角、遠野と戦う。齊藤は「専北で優勝というのはまだないので、自分たちが最初の優勝を取ろうと思っています」と語り、蟻田は「個々の能力は高くないですけどキャプテン(小野寺)をはじめとする意識の高さがある。それがきょうの結果に繋がった。絶対に優勝します」。頂点を見据えて、意識高く取り組んできたという専大北上が岩手の歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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