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[選手権予選]「初戦敗退からの逆襲」「奪還」期す名門、前橋育英が延長戦制して群馬決勝へ

ゲキサカ / 2016年11月1日 13時52分

 一方、DF陣が我慢強く守った高崎経済大附は少ないチャンスをものにしようとする。29分には中盤でのインターセプトからFW間山涼也(3年)がスルーパスを出してFW飯塚大海(3年)が左足シュート。32分にはMF猿渡壮磨(3年)がミドルシュートにチャレンジする。ヘディングで観衆を沸かせていた前橋育英CB松田陸(2年)や角田に跳ね返されるシーンも多かったが、前線で良くボールを収めていた飯塚がスピードを活かして相手の背後を突き、猿渡がロングスローを入れるなど一刺しする力があることを示していた。

 チャンスを活かしきれなかった前橋育英だが、後半開始からの出場した高沢が投入直後に結果を残す。2分、左サイドから中央へ持ち込んだ高沢が右足シュートをゴール左隅へねじ込んで1-0。ついにリードを奪った前橋育英だったが、7分に追いつかれてしまう。高崎経済大附は間山の右CKを猿渡が頭で繋ぎ、最後はゴール前のMF中嶋佳生(3年)が頭でゴールへ押し込んだ。名門からの同点劇に興奮の高崎経済大附イレブン。わずか5分間で同点に追いつかれた前橋育英は12分に投入されたFW人見大地(3年)がSB後藤田亘輝(2年)の右クロスを頭で合わせるなど勝ち越しを狙うが、山田耕介監督が「高経に行けるという雰囲気を作らせてしまった」と振り返ったように、チャンスを活かせなかったことで相手を勢いづかせてしまう。高崎経済大附は23分、10番MF相模純平(3年)のスルーパスで交代出場FW坂本海京(3年)が抜け出す。絶好の勝ち越しチャンスだったが、「ファーストタッチするなと思って、そこである程度距離詰めようと思ったのでそこがポイントだったと思います」と振り返る前橋育英GK月田啓(3年)が1対1のピンチを身体で防いで決定機阻止。前橋育英は直後に大黒柱の大塚が足首を負傷して交代するアクシデントに見舞われ、チームが不安に包まれた。この後攻撃が単調になっていたが、「自分たちの攻撃を最後まで貫き通せばいつか点は入ると思っていた」と長澤が説明したようにブレずに攻め続けていく。

 高崎経済大附は終盤、相手の波状攻撃をクリアするのが精一杯だったが、それでも勝利への執念を燃やすチームは2点目を与えず、延長戦に持ち込んだ。だが、延長戦に入って本来のパスワークを取り戻していた前橋育英は前半7分、中盤中央でボールを拾った長澤がドリブルで右前方のスペースへボールを運んでから思い切り良く右足ミドル。これが素晴らしい軌道を描いてゴール左隅へと突き刺さった。最後、押し切った前橋育英が2-1で勝利。山田監督が「僕らは逆襲です。勢い付けて本番(全国)に行けるように頑張ります」というタイガー軍団が決勝へ駒を進めた。

 夏の初戦敗退から選手たちは自分たちを見つめ直して取り組んできた。長澤は「夏の時は自分たちの形っていうのがサッカーでも、私生活でも見えていなくて、そこからコーチ、スタッフ、選手全員で話し合いをして少しずつ変わってきたと思います。今まで自分たちがちょっと後輩に任せてやっていたところを先輩が率先してやろうと細かなところから変えていったことで雰囲気も変わってきた」。総体予選後のプリンスリーグ関東では4連勝を記録するなど上位争いに食い込んでいる。私生活の部分から変えて、結果にも結びついてきているタイガー軍団。悩み、苦しい戦いを経験しながら成長してきた名門が逆襲、奪還を目指してきた選手権予選を優勝という形で終える。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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