[MOM1944]関東一DF石島春輔(3年)_狙うは晴れ舞台でのリベンジ。“カンイチ”が誇る対人無双のCB

　特に以降の石島の成長には目を見張るものがある。チームメイトの林が「アイツは大きい選手が得意なので、森本君とか村上君とかが大好きなんですよ(笑)」と明かしたように、昨年のプリンス関東参入決定戦の矢板中央高戦で対峙した森本ヒマン(駒澤大)や、全国総体の市立船橋戦でマッチアップした村上弘有といった大型ストライカーとの“空中戦”では互角に渡り合ってきたが、今回の決勝のように裏を執拗に狙われた際の“地上戦”でも一定以上の対応力を身に付けてきた。さらに今大会では、後半残り5分まで2点のリードを許していた準々決勝の早稲田実高戦で、後半37分にCKから同点ゴールを叩き込んでおり、その一戦を延長の末に辛勝したことが全国出場へ繋がった。攻撃面でもチームを苦境から救ったCBには、「石島は攻撃も守備もやれる選手ですから」と指揮官も絶対の信頼を置いている。

　全国大会への抱負を尋ねると、「悔いのないように全力でやって、“イチフナ”とやったら絶対に勝ちたいです」と強い想いを語った石島は、自ら「話すのはそんなに得意じゃないです」というように決して雄弁なタイプではない。「でも、全国で活躍したらたくさん話を聞かれるよ」と水を向けると、「頑張ります」と苦笑する姿はピッチ上とかなりギャップがあって微笑ましい感すらある。全国での躍進と王者へのリベンジと。成長著しい、ちょっと恥ずかしがり屋のCBを、待ち焦がれた晴れ舞台が待っている。

(取材・文　土屋雅史)▼関連リンク
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