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[選手権予選]東福岡MF藤川虎太朗、来季磐田で僚友となるMF針谷の分も全国で勝ち抜く

ゲキサカ / 2016年11月14日 16時54分

[選手権予選]東福岡MF藤川虎太朗、来季磐田で僚友となるMF針谷の分も全国で勝ち抜く

[11.13 全国高校選手権福岡県予選 東福岡高 6-0 九州国際大付高 博多の森陸上競技場]

 東福岡高の磐田内定MF藤川虎太朗(3年)は準決勝に続き、決勝もベンチスタートだった。負傷で欠場が続いていたことによるゲーム感覚、コンディション面を考慮されての起用法となったが、後半19分から出場したエースは37分に中央で巧みにDFを引きつけて左前方のMF{福田湧矢}}(2年)へラストパス。これを福田が右足で決めて藤川はアシストを記録した。

 怪我は完治しているというが、その藤川でも万全でなければ先発を確保できないほど東福岡の競争は激しい。交代出場からでも「やってやろう」という思いで大会に臨んだが、本人の「先発から出れなくて悔しかった」という気持ちは間違いなく全国大会へのエネルギーになるはずだ。全国準決勝、決勝で連続ゴールを決めて選手権日本一に貢献した昨年も全国大会前の負傷によって先発は準決勝からだっただけに、本人は最高のコンディションで全国大会を迎える意欲。「選手権は去年も準決勝からしかまともに出ていないので、今年はしっかりコンディションを整えないといけない」と誓っていた。

 この日、来季磐田入りするMFが登場した際にはスタンドから大きな拍手が送られていた。「自分は中盤の選手でスルーパスを見てほしいですし、戦う姿勢とか、年上、年下関係なくやっていく貪欲さを出していきたい」という部分を磐田で見せるつもりでいる。この日は、ともに磐田入りすることが決まっている昌平高MF針谷岳晃が埼玉県予選準決勝で敗退。連絡を取り合って仲も良いという針谷には全国総体初戦で決勝点となる直接CKを決められて敗れているだけに、選手権で針谷と昌平にリベンジするつもりでいた。だが、それは叶わず。藤川は「対戦したかったというのもありますけれど、昌平に勝ったチームに自分たちが勝って、昌平のためにもリベンジできればなと思います」。全国大会では埼玉県代表に勝利し、勝ち抜くことで来季のチームメートの無念も晴らすつもりだ。

 前回王者として臨む選手権は、チームリーダーとして夏の悔しさを晴らす舞台でもある。初戦敗退した全国高校総体で藤川自身のパフォーマンス自体は悪くなかったように映った。先制点を決め、苦しい試合の中でチームをプレーで引っ張っていた。だが、チームは1-2から終盤に同点に追いつきながらアディショナルタイムの失点によって敗戦。「自分的には初戦は大事だと思っていたし、去年は得点王になってインターハイで自分は運もあると思って、いいモチベーションで行ったんですけど、2年生とかは経験していなかった。全国大会ではどの相手でも油断できないということが共通理解できていなかった」。前回大会得点王の藤川はチームにトーナメント戦を勝ち抜くことの厳しさを伝えきれていなかったことを悔やんでいる。だが今回、チームに油断はない。トレーニングから目標を持って、臨むことのできるチームになってきたと感じているエースは、全国大会までにコンディションを上げて、チームメートたちとともに夏の悔しさをぶつけて再び頂点に立つ。
 
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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