今季通算16発も、立命館大のエースFW木藤舜介「僕があと2点決めていたら…」
ゲキサカ / 2016年11月14日 16時55分
[11.13 第94回関西学生サッカーリーグ後期第11節 立命館大1-2大阪体育大 ヤンマー]
悔しさで胸がいっぱいだった。尊敬する4回生とともに、全国のピッチへ立つはずだった。しかし、あと一歩が及ばず。立命館大は大阪体育大に1-2の逆転負けを喫し、全日本大学選手権(インカレ)出場を逃した。先制点を決めた立命館大FW木藤舜介(2年=東福岡高)は「本当に悔しいです」と唇を噛む。
勝てば6年ぶりのインカレ出場となる大一番。0-0の前半24分、MF竹本雄飛(1年=広島ユース)のシュートがGK立川小太郎(2年=初芝橋本高)の指先をかすめ、ポスト左を叩いた。
跳ね返りに反応したのは木藤。「雄飛は練習からいいシュートを打っているので、普通に入るかこぼれてくるかだと思いました。こぼれてきた瞬間にいけると思って打ちました」。目前に落ちたボールを冷静に捉え、足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。
逃げ切りたい立命館大だったが、後半24分に追いつかれ、同アディショナルタイム1分に2失点目。1-2の敗戦でインカレ出場を逃し、5位終戦となってしまった。チーム最多3本のシュートを放った木藤は、1失点後に幾度もチャンスを迎えたが決めきれず。試合後には自らを責めた。
「2-1で負けましたが、決められるチャンスは何本もあった。僕があと2点を決めていたら、インカレへいけていた。そこで勝たすことができなかった自分の力不足です」
得点王となった関西学院大のFW出岡大輝(4年=G大阪ユース)に、あと1点が及ばなかったが、今季の木藤は関西リーグで2位となるチーム最多の16得点を挙げ、立命館大のエースとしてプレーした。しかし、得点量産は自らの実力ではなく、チームメイトあっての結果だと強調する。
「僕のゴールって、個人で打開するという感じではなく、周りとの関わりであったり、チームメイトのパスのおかげで取れているゴールなので。だからこそ、4回生をインカレへ行かせてあげたかったので悔しいです」
「高校時代はフィジカルだけでやっている感じでしたけど、4回生のアドバイスのおかげで点が取れるようになったし、動き出しの部分でも多くのアドバイスをもらいました。ボールを受けたあとのシュートの持ち込み方も、4回生から学んだ部分なので。僕が16点取れたのは4回生のおかげなんです」
3年生となる来季は、さらに責任が増す立場となるが、エースとしての自覚はある。2年生FWは「シュートチャンスがいっぱいあるなかで、決めきれない部分の方が多かったので。シュートの成功率を高めていかないといけないと思っています」と先を見据えた。
もっともっと1試合でも多く、4回生とともにピッチへ立っていたかった。しかし、この日が2016シーズンのラストゲームになってしまった。
「お世話になった4回生とインカレへいきたかったです」と繰り返していた木藤だが、「これから日本一になって、今の4回生が『俺、ここの出身だよ』と誇れるようなチームにしたいです」と言うと真っ直ぐに前を見た。
夢破れたが、ここからまた新たな挑戦の日々は始まる。立命館大に携わった誰もが誇れるようなチームにするべく、去っていく4回生の思いを胸に刻み、木藤はエースとして戦い続ける。
(取材・文 片岡涼)●第94回関西学生リーグ特集
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