寿人流出の経緯を広島の社長が説明「残留を要請しましたが…」「苦渋の想い」
ゲキサカ / 2016年11月22日 1時28分
サンフレッチェ広島は21日、FW佐藤寿人(34)が来季J2の名古屋グランパスへ完全移籍することを発表した。これに伴い、株式会社サンフレッチェ広島の代表取締役社長を務める織田秀和氏がクラブ公式サイトで声明文を発表している。
2015年に社長に就任した織田氏は「サンフレッチェ広島ファン・サポーターの皆さまへ」と題し、「この度、12年間にわたりピッチ内外でサンフレッチェに多大な貢献をしてきた佐藤寿人選手が、2017シーズンより名古屋グランパスに移籍することが決定いたしました」と改めて自身の口からアナウンスした。
クラブの象徴ともいえる選手の移籍。織田氏は「佐藤寿人選手とは、シーズン中から来季についての契約を打診し、名古屋から正式なオファーを受けた後も、引き続き残留を要請してまいりました」と、引き止めに尽力していたことを明かし、「しかしながら、彼のアスリートとして、より多くの出場機会を求めたいという思いは強く、クラブとしても苦渋の想いで、彼の意志を尊重することにいたしました」と移籍容認に至った経緯を説明した。
佐藤のブレイクのキッカケは05年の広島移籍だった。加入初年度に日本人トップとなるリーグ戦18得点を記録すると、その活躍が認められ、日本代表に初招集。06年のドイツW杯メンバーからは落選し、クラブも07年にJ2降格の憂き目に遭ったが、佐藤は広島にとどまり、1年でのJ1復帰に貢献した。そこからチームとともに右肩上がりで成長を続け、12年にはエースとして広島を初のJ1優勝に導くとともに、自身初の得点王も獲得。15年に3度目のJ1制覇に貢献すると、16年にはFW中山雅史の持つJ1通算記録の157得点を抜き、一時歴代トップに立った。
織田氏は「思い起こせば、J2に降格した2007年、佐藤寿人選手は、いちはやくチーム残留を表明してくれました。その後、わずか1年でのJ1昇格、さらには3度のリーグ優勝に、言葉に尽くせないほどの貢献を果たしてくれたことに対し、心から感謝しています」と佐藤のこれまでの功績を称え、「佐藤寿人選手と来季以降、ともに戦うことができないことはクラブにとっても大きな痛手であり、非常に残念に思います」と退団を悔やんだ。
最後はサポーターに向け、「ファン・サポーターの皆さまには、主力選手の移籍で、多大なご心配と不安をおかけいたしますが、サンフレッチェ広島はクラブ理念である『サッカー事業を通じて夢と感動を共有し、地域に貢献する』という使命のもと、全力を尽くすとともに、これからも『挑戦』し続けてまいります」と、今季のチームスローガンである「挑戦」を引き合いに出し、クラブとして前進し続けていくことを表明した。
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