悲願のタイトル届かず呆然の憲剛「喪失感が大きすぎて…」
ゲキサカ / 2016年11月23日 19時8分
[11.23 チャンピオンシップ準決勝 川崎F0-1鹿島 等々力]
頭の中は真っ白だった。準決勝敗退が決まった試合終了の瞬間、川崎フロンターレのMF中村憲剛は腰に手を当て、呆然と立ち尽くした。
「今はちょっと何も考えられない。喪失感が大きすぎて……」。試合後の取材エリア。報道陣の呼びかけに2度立ち止まったが、出てくる言葉は同じだった。「自分が決め切るところで決められなかった。そこだけです」。そう言って力なくうなだれた。
左股関節痛の影響でベンチスタートとなったキャプテンだが、出番は予想よりも早く訪れた。左太腿裏を痛めたFW長谷川竜也に代わり、前半21分から途中出場。4-2-3-1のトップ下に入ると、0-1で迎えた後半14分に絶好のチャンスがあった。
MF三好康児のスルーパスに反応し、PA内左に進入。鋭い切り返しでDF昌子源をかわし、右足を振り抜いた。しかし、シュートは外側のサイドネット。同点の絶好機を逃し、最後まで追いつくことができなかった。
ホームでの一発勝負。引き分けでも勝ち上がりとなる優位な条件下で勝ち切れなかった。クラブ創立20周年のメモリアルイヤー。2度のJ2優勝を除けばタイトル獲得経験のないクラブにとって悲願の、そして憲剛自身も渇望するリーグタイトルにまたしても届かなかった。
悲嘆にくれた等々力陸上競技場。「サポーターの方もいい雰囲気をつくってくれたのに結果が結果なので。それだけです」。そう言い残し、足早に立ち去った36歳。目の前に突き付けられた現実はあまりにも残酷だった。
(取材・文 西山紘平)
●2016 Jリーグチャンピオンシップ
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