「ルーキーらしく豪快に戦えたら結果はついてくる」慶大SB溝渕は臆することなく千葉で挑戦する決意
ゲキサカ / 2016年12月11日 0時2分
[12.10 全日本大学選手権(インカレ)2回戦 順天堂大 2-1 慶應義塾大 味フィ西]
「4年生として最後、後輩に託す役割は全うできたかなと思います」。慶應義塾大は総理大臣杯準優勝の順天堂大に1-2で悔しい逆転負け。だが千葉内定の右SB溝渕雄志(4年=流通経済大柏高)の表情はどこか晴れやかなように映った。
きょうで負けてもいい、きょうで最後になってもいいというくらいの決意を持ってプレーすること。後輩たちに「それくらい覚悟を持って、腹くくってというメンタルがいかに大事かというところは伝えられたと思う」という確信、そして来年スタートする次のステージへのワクワクするような感覚が注目DFにはあった。
怪我の影響もあって、ベストではなかった。それでも90分間、プレーでチームを引っ張った。溝渕は前半45分に左CKのこぼれ球をファーサイドから鋭い弾道の一撃で決めて先制点。「枠入れれば、入るなと思ったので、抑えて枠に蹴りました。角度はなかったんですけど、クロスで腰は捻り慣れていたんで、捻って、抑えて、イメージ通りに決められて良かったです」。渾身の一撃でチームに先制点をもたらすと、後半にはスピードに乗った攻撃参加からクロス、ラストパスを狙うなど決定機に絡んで見せた。だが、チームは逆転され、試合終了間際に溝渕が狙った右足ミドルも僅かに枠上。試合終了の笛が鳴ると、背番号5はピッチに座り込んだ。
高校サッカーの名門・流通経済大柏高から慶大へ進学。当初はその違いに大きく戸惑ったという。サッカー漬けだった高校時代からの変化。慶大ではピッチ以外での多くの役割や規則の中で日々を過ごしてきた。本人は「カルチャーショック」という言葉を口にしたが、その環境が自身を成長させたと感じている。「サッカー第一の環境からそうじゃないところに来たので最初は戸惑いもありましたし、サッカー外にかける時間の多さにも最初は無駄なんじゃないかとか、もっと練習すればいいんじゃないかとか、短絡的な考えだったんですけれども、でも、4年間過ごすと慶應に来たからこそプロっていう道にも一歩出せたなと思うし、自分の人生においても慶應での4年間を過ごしたからこそ、誰よりも面白い人生になるんじゃないかなと思えるくらい。(わずか)4年間ですけれど、その4年間のキャリアは本当に大きなものだったなと感じています」
その大学生活を経てプロへ一歩を踏み出す。千葉の稲垣雄也スカウトは流経大柏時代のコーチという縁もあった。だが、恩師がいるから千葉入りを決めた訳でない。「知っているからとかだけでボクに声かけるということを稲垣さんもしてこなかったですし、ジェフっていうクラブがボクについてどう思っているのか、最後まで話し込んでくれた人だったので。だからこそ信頼できてジェフを選べたっていうことがありますし、そこまでボクの将来とか、入ってからの映像とかを何回も何回も繰り返し考えてくださってというのが本当に伝わったので、何個からあるクラブから千葉でやりたいと思った」。この日、会場を訪れた稲垣スカウトは「彼のウリはアグレッシブなところとか守備の部分、ファイターである部分」と口にし、より技術面などをレベルアップさせてフアン・エスナイデル新監督の下でサイドプレーヤーとして機能してくれることを期待。溝渕はそれに応えて1年目から千葉にプラスアルファをもたらす選手になることを誓う。
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