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夏の失敗を胸に…阪南大の右SB大本がブレない攻撃参加でリズム作る

ゲキサカ / 2016年12月12日 5時15分

無尽蔵のスタミナでダッシュを繰り返した右SB大本祐槻(4年=野洲高)

[12.10 全日本大学選手権(インカレ)2回戦 阪南大 2-1 仙台大 味フィ西]

 インカレ初戦に挑んだ昨年度準優勝校・阪南大は、前半10分に失点。しかし、右SB大本祐槻(4年=野洲高)が攻撃面で見せた働きによってリズムを取り戻し、2-1の逆転勝利へと結びつけた。

 大本の強みは、攻撃参加と運動量だ。右サイドで味方にボールが渡った瞬間、後方から勢いよく走り出す。誰よりも切り替え速く前方のスペースへ走り、パスを受けるとPA内へ鋭いクロスを上げていく。「自分がここまで走れるとみんな知ってくれているので、走ったらパスをどんどん出してくれる」と語るように、大本が右サイドを全力で駆け上がると、その特性を知るチームメートたちは大本へパスを集めて有効的に生かしていった。

 仙台大のカウンター攻撃によって失点した阪南大だが、背番号23の動きはブレなかった。失点前同様に積極的に攻め上がることで、右サイドからパスワークが生まれ、攻撃のリズムが回復。焦らず、得意な形で攻めた結果が、前半26分の同点ゴールへとつながったのだ。

 失点後も阪南大らしい攻撃ができた点に関して大本は「夏の教訓が生きた」と振り返る。夏の総理大臣杯初戦の東海学園大戦で、阪南大は初戦特有の硬さが取れないまま先制されてしまう。その後、焦った阪南大はコンセプトである“仕掛けて崩す”サッカーを展開できず、逆に立て続けに失点。0-3で完敗していた。

「今回も初戦は大事に入るって言っていたが、先制されてしまった。でも夏の教訓を生かして、たとえ先制されても慌てて攻めずに、声掛け合ってパスをつないでいくことができた。阪南大らしいサッカーができていたので、特に焦りはなかったです」。精神的にブレず、自分たちの強みを失わずに戦えたことが、逆転勝利の大きな要因になっていた。

 大本の右サイドを駆け抜けるスタイルは、元々やっていたものではなかった。「昔はもっとドリブルでこねたりしていた」と語るように、日本代表MF乾貴士(エイバル)ら多数のドリブラーやテクニシャンを輩出している野洲高出身の大本は、例に違わずドリブルで抜いていくタイプだったという。「でもパスを出して、走ってもう一度受ける動きの方が、より自分が生きる」ということを阪南大で学び、現在のプレースタイルに変わった。大本がアクセントになる右サイドからの攻撃は、阪南大のパターンのひとつになり、大本自身も今季の関西リーグ1部で5アシストを記録している。

 12日の準々決勝で阪南大は総理大臣杯準優勝の順天堂大と対戦。「順天堂大は前も後ろも技術がある。良いサッカーをするし、だからこそ倒したら勢いに乗れる」と臆せずに大本が見つめる先は、準優勝だった昨年度大会のリベンジだ。直線的なハイスピードダッシュと、無尽蔵のスタミナでブレずに走り続ける大本が阪南大を再びの決勝へと導き、今年は白星で大会を終える。

(取材・文 石川祐介)●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集

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