[MOM1970]新潟明訓DF坂井雄大(3年)_本職SBのCBがクレバーな守りで完封!
ゲキサカ / 2016年12月17日 6時16分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.16 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 新潟明訓高1-0 浜松開誠館 コカ広島ス]
矢のように次々と飛んでくるロングボールに怪我を恐れない迫力ある競り合い。この日、浜松開誠館高が見せた勇敢な攻撃を新潟明訓高が90分間、食い止めることができたのは田中健二監督が「あの子がすごくクレバーに、ポジショニングを上手にとってくれたので相手に背後を突かせなかった」と称えたDF坂井雄大の活躍が大きい。
身長は175cmでCBとしては小柄。田中監督も「あの子はSBの子。絶対にCBの体格ではないけど、ボール扱いがすごく上手なので、ゲームを整えることができる。チーム事情でCBに置いていますけど、両足とも綺麗に蹴れるのでSBだと凄く面白いと思う。走力もあるので、やらかすかなと思うところでもやらかさない」と評するように、本来ならばCBを務めるタイプの選手ではない。夏まではSBだけでなく、FWとしてもプレーしたが、最終的には今のポジションに落ち着いた。
決して適正とは言えないポジションでも、本職とも見劣りしないプレーができるのは彼の凄さで、この日は「試合前にビデオを見て対策をとっていた。観客から見れば押し込まれているように見えただろうけど、自分たちの術中にハマっていたと思う。相手はあまり繋ぐチームではなかったので、裏に蹴らせて裏のスペースを潰しながら、CBは競り合いと1対1で負けないことを意識した」という守備を試合開始から徹底して続ける。また、CB入山慶斗とのコンビネーションも見事で、競り合いに強い入山に対して、坂井は「得意なプレー」と話すカバーリングで相手の攻撃をきっちり阻止した。
中でもこの日、一番のプレーを見せたのは後半32分。相手シュートをGK杉本陸がはじいた隙を突かれ、FW岡島温希に無人のゴールを狙われた場面だ。少し離れた位置にいた坂井は「昌子選手のプレーをイメージした」とJリーグチャンピオンシップの第2戦、浦和との試合で鹿島のDF昌子源が見せたように身体を投げ出したシュートブロックでゴールを死守。彼のファインプレーがなければ、この日の勝利がなかったと言っても過言ではない。
シュートブロックは昌子だが、日ごろの憧れる選手は同じく日本代表のCBを務める吉田麻也で、「カバーが得意な選手なので、動画をよく見ている」。3年生になったタイミングで、主力がつける一桁代の番号を監督から勧められたが、これまで吉田を意識してつけていた22番に固執した。これまでなら、そうした振る舞いを許さなかったという田中監督も、「『俺が決めるんだよ!』と思ったけど、そういうちょっとヤンチャでアピールできる性格は明訓にいないので、かわいいなと思った」と坂井の拘りを許可したという。
選手権予選で敗退したため、今大会が高校生活最後の舞台。一度は気落ちしたものの、「ミーティングをいっぱいして、下級生のかける想いや知ったり、今日も新潟からわざわざ応援に来てくれてパワーを貰った」と最後の2試合で、再び気持ちを奮い立たせた。昨年は2戦目で横浜F・マリノスユースに0-3で敗れ、プレミア昇格を逃しているだけに今年にかける想いも強い。「次勝たないと、今日の勝ちも意味がない。後輩たちのためにも結果を残してあげたいし、自分としても高校最後の試合になるので、自分たちのサッカーをして、絶対に勝ちます」と力強く誓った。
(取材・文 森田将義)▼関連リンク
高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ
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