次は選手権初Vへ!青森山田MF住永主将、現在以上に「自分たちなら成長できる」
ゲキサカ / 2016年12月18日 9時12分
[12.17 高円宮杯チャンピオンシップ 青森山田高 0-0(PK4-2)広島ユース 埼玉]
青森山田高はまだ、強くなる。黒田剛監督は日本一に輝き、埼玉スタジアム2002で胴上げされた後の会見で「まだまだ強くなれると彼らは信じているし、私も彼らに語りかける言葉は『まだまだ行ける』『まだまだ強くなれる』。それが今シーズンの子たちは日頃から聞く耳を持って実践している、トレーニングから実践できている。そのところが今までのチームとはちょっと違うかなと思います」と過去のチームとの違いについて口にした。
先輩たちが何度もトライしてきたプレミアリーグや選手権、高校総体での日本一。05年の高校総体で全国制覇を果たしているが、一方で優勝候補に挙げられながらも周囲からマークされる中でベスト8を前に敗れてきたこともある。だが、黒田監督が「聞く耳を持っている子たち」と評する今年の世代は、先輩たちの敗戦から学び、自分たちの力を冷静に分析した上で強くなるために、細部からこだわって努力を続けてきた。
この日はやり続けてきたことを表現したシーンが随所にあった。延長戦含めた110分間、個々が見せ続けたハードワーク、ゴールと相手との間に身体を入れて“ゴールを隠す”こと、長短のパスとドリブルで相手の懐へ入り込んでいく攻撃……。象徴的だったプレーの一つが前半21分にMF嵯峨理久(3年)が見せたスーパークリアだ。
主将のMF住永翔(3年)は「普段だったらみんなボールウォッチャーになって入れられて何だよってなるんですけど、きょうはああいう場面になってもボール見るんじゃなくて、ボールに対して全員が『あっ』となって行けた。(青森山田では)アラートな状態っていうんですけど、研ぎ澄まされた状態っていうのが、あのゴールを守ったひとつの要因になった。一人ひとりの頭の中でゼロで行くんだというものがあったのかもしれない。ゼロで行けば何かいいことがあると常日頃言われている。それが、何が何でもゴールを割らせないというあのプレーを生んだんじゃないかと思います」。嵯峨のビッグプレーに代表されるように、意識の面から取り組んできたことが大一番で発揮されている。その回数が増えている。結果に満足することなく成長を目指してきたチームは2週間後に開幕する選手権までまた成長するはずだ。
住永は「あとはここから選手権へ向けてもうひとつ成長できるように。今のままでは勝てないと思うので。選手権は一発トーナメントでリーグ戦にはない怖さがあるのでそれに対応できるようにやっていきたいと思っています。自分たちなら成長できると思いますし、成長しなきゃいけないと思うので、やることはたくさんありますけれども、その中でも一つひとつ細かいところを、細部にこだわると言いますけれど細かいところにこだわってやっていきたい。青森山田は(選手権で)まだ優勝したことがないですし、また新しい1ページをつくりたいなと思います」。プレミアリーグEAST、チャンピオンシップで戦ったライバルたちのためにも選手権で負けるわけにはいかない。細部にこだわって成長すること。そして選手権の準決勝、決勝が行われる埼玉スタジアムで再び歓喜の瞬間を迎える。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ
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