[皇后杯]火災の糸魚川に優勝届けられず…FW上尾野辺「残念」、DF中村「被災者に勇気を…」
ゲキサカ / 2016年12月26日 17時57分
[12.25 皇后杯決勝 新潟L0-0(PK4-5)I神戸 フクアリ]
吉報を届けることはできなかった。アルビレックス新潟レディースは0-0から迎えた延長戦まで体を張った守備で粘り強く耐え、PK戦まで持ち込んだが、あと一歩届かなかった。
新潟Lが決勝でINAC神戸と対戦するのは2年連続4度目。日本代表FW上尾野辺めぐみは「今年はいけるんじゃないかという気持ちがあった。全員がその気持ちで臨んだし、PKで負けてしまったのは悔しい」と惜敗に肩を落とした。
試合の入りは上々だった。上尾野辺が前半19分に中央のドリブル突破から力強くシュート。同34分には左クロスにFW大石沙弥香が飛び込むなど、ゴールに襲い掛かった。だが、チャンスのあった前半のうちに得点を奪えずにいると、後半からは防戦一方の展開となった。
それでも、最後まで女王INACを苦しめた。激しい猛攻を何度も跳ね返し、中1日で迎えた決勝戦で120分間を無失点に抑えた。皇后杯3回戦から4試合連続の“完封”。キャプテンのDF中村楓は「無失点で勝ち上がってこれたのは成長できた部分」と手応えを口にした。
22日には新潟県糸魚川市で大規模火災が起こった。地元を襲った悲報。火災被災者たちを元気づけるためにも、選手たちは悲願の初優勝を誓っていた。中村は「勝ち切って(被災者に)勇気を与えられたらよかった。応援してもらった新潟の皆さんに申し訳ない」と声を落とした。上尾野辺は「最後のほうは守備になってしまったけど、選手一人一人が体を張っていた。勇気を与える試合はできたのかな」と死闘を振り返ったが、「結果がついてくればいい報告ができたので、そこは残念」とうなだれた。
(取材・文 佐藤亜希子)●第38回皇后杯特設ページ
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