[全日本ユース(U-15)選手権]昨年の悪夢が一瞬…清水JY川本梨誉、PKが相手GKの背中に当たってゴールイン
ゲキサカ / 2016年12月26日 20時31分
[12.26 全日本ユース選手権準決勝 清水JY3-3(PK5-4)横浜FM追浜]
カーン!ボールがポストを叩く音が響き渡った。PK戦、清水エスパルスジュニアユースの1人目で登場し、シュートを蹴ったMF川本梨誉の表情も一瞬にして青ざめた。しかし次の瞬間、ボールは横っ飛びで防ごうとしていたGK加藤陽向の背中に当たって、ゴールラインを超える。「わっ、オーッ」。スタジアムは笑いが起こったような歓声に包まれた。
昨年の悪夢が一瞬頭をよぎったのだという。昨年度大会の2回戦、清水JYは2回戦の鹿島アントラーズジュニアユース戦でPK負けを喫した。その際、勝敗を分ける5人目で登場し、失敗してしまったのが、川本だった。「あのコースに蹴って止められちゃったんですよ。蹴る瞬間にそれが浮かんできちゃって。だからダフってしまいました」。ただ結果が良ければすべて良し。川本も「入ったから良かった」としてやったりだ。
しかしチームの中心、主将としては、課題を露呈してしまったと振り返る。前半22分に先制するも、4分後に同点被弾。後半は開始4分までに2点を積み上げるが、直後に連続被弾をするなど、安定した試合運びを見せることが出来なかった。「メンタル弱いんですよ、ウチのチーム」と問題点を挙げると、「チーム個人個人で話し合って、決勝までに修正していきたい」と表情を引き締める。
決勝の相手は北海道コンサドーレ札幌に決まった。勝てば、2012年のガンバ大阪ジュニアユース以来となる3冠を達成することになる。快挙は目の前に迫ったが、「3冠ばかり気にしてしまうと、ひとつ一つの試合で勝てない」と浮足立つこともない。「エスパらしい、見ている人が楽しいサッカーをして勝ちたい」と力を込めた。28日、清水JYは歴史に新たなる1ページを刻む。
(取材・文 児玉幸洋)
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