「東京五輪への推薦状」第31回:「目標の選手はモドリッチとラキティッチ」。青森山田の万能MF郷家友太が刻む日進月歩
ゲキサカ / 2016年12月29日 7時0分
2020年東京五輪まであと4年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ
日進月歩。観るたびにプレーの幅が広がっていると言えば大げさかもしれないが、青森山田高のMF郷家友太が、今年1年で大きく伸びた選手なのは間違いない。
183cmの長身MFは仙台ジュニアユースの出身。当時から名を知られた存在で、JFAエリートプログラムにも選ばれるなど、まさに“エリート”選手だった。ただ、当時の印象と青森山田での現在のプレーには隔絶した印象の差がある。その話を向けると、郷家は「自分でもそう思いますよ」と言いつつ、「中学のころは守備なんてしなかったし、足元で受けてどうにかしようという選手でした。すかしたプレーをしていましたよね」と笑う。
仙台ユースへの昇格を断っての青森山田進学。親元を離れる決断は中学3年生にとって簡単なものではなかったようだが、「レベルの高いリーグでやりたかった」という欲求に加えて、自分自身に対して「このままでいいのかな?」という疑問もあってのものだった。この決断は吉と出たようだ。「掃除なんて親任せでしたし、洗濯もしていないし、送り迎えもしてもらっていた。自分で自分のことを何もやってなかった」中学時代から、親元を離れての寮生活。メンタルな部分で自然と成長を促されることとなった。
プレーでも「守備や走ることの大切さを教わった」と着実に進歩。いまでは「アイツのチェイシングが本当に効いているんだよな」と辛口の黒田剛監督から称賛を受けるような守備力も身に付けた。地道に積み上げた体幹トレーニングの成果も出ており、「中学時代は考えたこともなかった」ロングスローという新たな武器も手に入れた。ブラジルW杯で魅せられたというクロアチア代表のラキティッチやモドリッチについて「チームが勝つために攻撃も守備もやり切る、ああいう選手になりたい」と映像で研究しながら、戦術的な感覚も磨いてきた。
本人は「僕なんてまだまだです」と謙遜するのだが、一方で「でも東京五輪は意識していますし、日本代表に入ることは目標です」と日の丸への思いもハッキリ言い切る。15歳での決断から2年。地道に進歩を重ねてきた“東北のラキティッチ”は、未来への野望を静かに、だが確かに燃やしていた。
執筆者紹介:川端暁彦
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。▼関連リンク東京五輪への推薦状 by 川端暁彦一覧へ
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