プロ14年目の憲剛が“夢見た舞台”へ 「皆のおかげで立つことができる」
ゲキサカ / 2016年12月29日 19時36分
[12.29 天皇杯準決勝 大宮0-1川崎F 日産]
プロ14年目。ようやく、辿り着いた。苦しみながらも1-0の勝利を収め、天皇杯決勝進出を決めた川崎フロンターレMF中村憲剛は「小学生の頃から夢見た舞台」に立てる喜びを隠そうとしなかった。
序盤から大宮にゴールを脅かされる場面を作られるだけでなく、川崎Fは攻撃の形を作れなかった。しかし、ここで意思統一ができていたと、中村は振り返る。「我慢だ。皆で一つになって戦おう」と――。相手攻撃を体を張ったはね返し、再びボールを奪われようともまずは失点をしのぐ。0-0のまま試合は終盤を迎えるが、耐え続けたチームは後半40分に先制に成功する。
CKの好機を得ると、キッカーを務めた中村は「拮抗した試合ではセットプレーが大事になる。GKにキャッチされないように」とボールを蹴り出すと、その流れから最後はDF谷口彰悟が泥臭く右足で合わせてゴールマウスにねじ込み、決勝点となるゴールが生まれた。
「この試合に懸ける、この試合に勝ちたい気持ちがあったし、執念もあった。その思いがプレーに本当に出ていた。こういう、しぶとい勝ち方ができるようになってきたのは大きい」
苦しい試合をものにして、天皇杯決勝へと駒を進めた。クラブとしても、中村自身にとっても初の舞台。「プロになったら、そのうち立てるかなと思っていたけど、14年も経ってしまった」と苦笑しつつも、「小学生の頃から夢見た舞台。皆のおかげで立つことができる」と感慨深げに話すと、「この舞台に立つことに満足することなく、1年を幸先良くスタートできるように、自分たちの持っているものを全て出したい」と力を込める。プロ14年目で初めて辿り着いた「夢の舞台」で、チームに初タイトルをもたらすために全身全霊を傾ける。
(取材・文 折戸岳彦)
●第96回天皇杯特設ページ
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