[横山杯]「勝てる秘訣は仲間の仲の良さとか、団結力」実践学園が慶應義塾とのPK戦制して初優勝!!
ゲキサカ / 2016年12月29日 20時39分
実践学園は後半開始から成田と負傷の石本に代えてGK水谷優希とMF石黒帆高を投入。実践学園はチャンスこそ作るものの、15分に左ショートコーナーから武田の放った右足ミドルはゴールマウスに弾かれ、18分に武田のスルーパスに前原が走り込んだシーンも決めることができない。一方、慶應義塾は酒井が右足ミドルにチャレンジし、平田が抜群のキープ力を発揮するシーンもあったが、ミスもあってなかなかいい形の攻撃をすることができなかった。12分に火丸に代えてエースストライカーのFW板倉正明をピッチへ送り出し、そこを起点にボールを進める場面もあったが、実践学園の堅い守りをこじ開けるには至らず。一方の実践学園も深町公一監督が「最初の入りは良かったけれど、足が止まってしまった。(後半は)ボールを散らすだけだった」と不満の内容に。いい形で縦パスが入る場面もあったが、攻めきることができず、試合は0-0で70分間が終了。FANAL GAMEでは6大会ぶりとなるPK戦で決着を決めることになった。
先攻・慶應の1人目が枠を外す波乱のスタートとなったPK戦は実践2人目をGK青木がストップ。慶應は3人目のシュートがクロスバーを叩いたが、実践4人目のシュートを再び青木が止めてタイに持ち込む。そして6人目に決着。慶應6人目のシュートを実践GK水谷が左へ跳んでストップすると、直後にDF三澤が右足で左隅に決めて実践が4-3で勝った。
実践学園の深町監督は「中盤高い位置で奪った時に前の2人が背後取れたらいいリズムが生まれる」と語り、その点を発揮できなかったこと、また攻撃時の中盤中央の選手たちのポジショニングや精度の部分などを課題に挙げていた。それでも、新チームの実践学園は練習試合を含めてなかなか負けない、勝負強いチームになりつつある。朝の散歩から規律正しく、宿舎では勉強にも励んでいたというチーム。チームリーダーの尾前は結果が出ている要因としてチームのまとまりの良さを挙げる。「凄くいい仲間が多くて、言えば全部聞いてくれるし、素直にやってくれるし、強いとは言えないんですけど、個々の力はないんですけど、勝てる秘訣は仲間の仲の良さとか、団結力。ウチのチームはこれがなくなったら勝てなくなると思う。そこだけはブレないようにやっていきたい」。
そのチームは今回の合宿によって、良い方向へ変化したのだという。尾前は「この合宿で良かったのはミーティングなんですよね」と説明。「ミーティングを重ねていろいろな人の意見が分かった。全員が(本気で)参加してくれた。この合宿でそういうところが変わってきた」と変化の理由を明かした。ミーティングに対しても全員が全力で取り組む意識高き集団への変化。勝負の年へ向けていい形で16年を終えることができたが、17年2月の東京都1部リーグ開幕まで時間は少ない。本気になっている選手たちが向上心を持って成長を遂げること。「関東、インハイ、選手権。3冠するのが自分たちの目標」(尾前)という実践学園が自発的に変化し、タイトルも勝ち取った横山杯の日々を目標達成に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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