[MOM2005]正智深谷FW田島帆貴(3年)_途中出場で逆転劇導く同点弾! スーパーサブが本領発揮
ゲキサカ / 2016年12月31日 23時35分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 正智深谷高2-1立正大淞南高 NACK]
やはり、“持っている男”は違う。1点ビハインドの後半開始からピッチに入った正智深谷高FW田島帆貴(3年)は、その8分後に同点ゴールを決め、チームを勢いづけた。小島時知監督も「彼は持ってますね」と手放しで褒め称えた。
田島は、県予選の準決勝・昌平戦では決勝点、浦和南との決勝戦では先制点をアシストし、PKの最後のキッカーも務めるなど、“スーパーサブ”として起用され、その期待に応えてきた。この試合もベンチスタートとなったが、先制されて迎えた後半開始からMF今岡マックス(3年)との交代でピッチに入った。
「前半は正智のペースを作れていませんでした。そこで自分が思った以上に早く出たと思います。県大会と同じでチームの流れを正智に持ってこようと思っていました」と語れば、指揮官も「後半から田島を入れてリズムを変えようと決めていました。マックスを入れた布陣で早いリズムと、田島を入ってタメができたリズムは相手も守りづらいと思う」と交代の意図を説明した。
その采配は奏功し、ピッチに立った田島は後半8分にFW新井晴樹(3年)の折り返しを左足ダイレクトで合わせ、早速大きな仕事をやってのけた。「新井から来るなと思っていました。ボールがちょっと足もとに入りすぎたけど、ベンチでキーパーが小さいからしっかりループでいけば入るなと(チームメイトと)話していました。そこをしっかり狙おうと思っていました」と、思い通りのゴールに笑みがこぼれる。
そこから試合の流れは変わり、チームはその3分後に逆転ゴールを決め、逃げ切り勝利。正智深谷は選手権3度目の出場にして初めての初戦突破を決め、同校の歴史を塗り替えた。「自分でも出来すぎかなと思います」とその活躍に謙遜したが、「そういうリズムは県大会から続かないものですが、今日もまた仕事をしてくれたので、彼は持ってますね。この先も鍵を握る選手になると思うので、大事に上手に使いたいと思います」と、指揮官は全幅の信頼を寄せている。
切り札と言われれば聞こえはいいが、選手としては先発で出たいもの。それでも田島は、「途中から出て、流れを変えられればいいと思っています。チームが勝つことが最優先なので、自分の結果にこだわることなく、チームのために少しでも貢献できればと思っています」と、先発に対するこだわりはない。「この1勝で終わることなく、優勝を目指して次の試合も勝ちたいと思います」。今後、勝ち進むにつれて戦いは厳しさを増していくだろう。だが、田島がいることで、どんなに流れが悪くてもチームは踏ん張れる。彼の存在はこれからますます欠かせないものとなっていく。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 清水祐一)▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016
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