“2回戦の壁”突破!! 聖和学園、徳島市立とのPK戦制し史上初3回戦へ
ゲキサカ / 2017年1月2日 23時0分
[1.2 全国高校選手権2回戦 聖和学園1-1(PK4-2)徳島市立 NACK]
第95回全国高校サッカー選手権2回戦が各地で行われ、埼玉・NACK5スタジアム大宮の第1試合では3年連続4回目の出場となる聖和学園高(宮城)と2年ぶり15回目の出場となる徳島市立高(徳島)が対戦。後半21分に聖和学園が先制し、同25分に徳島市立が追い付き1-1で80分間を終えた試合は、PK戦を4-2で制した聖和学園がチーム初の2回戦突破を決め、1月3日に行われる3回戦で青森山田高(青森)と対戦する。
個人技に長け、ドリブルを果敢に仕掛ける聖和学園に対し、徳島市立はしっかりとブロックを敷いて待ち構え、相手攻撃をはね返そうとする。だが序盤から聖和学園が守備網を切り裂き、フィニッシュまで持ち込む場面を創出。前半5分にMF鈴木智久(3年)の仕掛けから最後はMF原科勇我(3年)が、同6分にはDF西川啓人(3年)のロングフィードから抜け出した原科が再びゴールを脅かし、さらに同12分にはMF藤井僚哉(3年)がミドルシュートを枠内に飛ばしたが、3本のシュートはすべて好セーブを見せたGK佐野雄亮(3年)にストップされてしまう。
すると、聖和学園に押し込まれる時間帯が続いた徳島市立が続けざまに好機を生み出す。前半16分にDF上野謙太朗(3年)、MF郡紘平(3年)とつないだボールからFW山本史弥(3年)が狙うも西川にブロックされ、同24分には後方からのパスで抜け出した郡が決定機を迎えたがシュートはゴールマウスを捉え切れなかった。
初戦の海星戦ではドリブルで強引に仕掛けて相手守備網に捕まる場面が目立った聖和学園。しかし、「初戦は裏を狙えていなかった。パスも裏もある。何があるか分からないように選択肢を持とう」という加見成司監督の言葉どおり、この日はドリブルに固執するのではなく、パスをつないで攻撃を組み立てると、パスによって生まれたギャップをドリブルで突くなど、効果的に仕掛けを織り交ぜる。「初戦は硬かったけど、多少肩の力が抜けた」(加見監督)チームは、好機を生み出しながらもなかなか先制点を記録できないが、ボールを奪われれば素早い攻守の切り替えでボールを奪い返し、その後も主導権を握って試合を進めた。
待望の先制点が生まれたのは後半21分。相手のクリアミスからPA内に進入したFW大八木隆斗(3年)のシュートは佐野に止められたものの、こぼれ球を大八木自らが蹴り込んでスコアを1-0とした。しかし、4分後の同25分、左サイドを山本が突破してゴール前にラストパスを送ると、郡がPA外から豪快なミドルを突き刺して徳島市立がすぐさま同点に追い付く。その後は両チームともにゴールを脅かしながらもスコアは動かず、1-1のままPK戦に突入した。
迎えたPK戦。徳島市立3人目の上野のシュートがGK吉田龍生(3年)にストップされ、4人目のDF橋本日向(3年)のシュートがクロスバーを叩いたのに対し、聖和学園は1人目の西川から4人目のDF尾野匡祐(3年)まで全員が落ち着いて沈めて、PK戦を4-2で制して3回戦進出を決めた。史上初の2回戦突破に「あまり意識はしてなかったけど、一つ勝てて前進できたし、“2回戦の壁”と言われる中、それを越えられたのはうれしいですね」と笑顔を見せた加見監督は、「僕たちにはこれしかできないので、そこで勝負したい」と3回戦の強豪・青森山田戦でも“聖和学園らしさ”を貫き、真っ向勝負を挑む。
(取材・文 折戸岳彦)
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