“確信”を持って真ん中に蹴ったPK、前育MF大塚主将「一番目で気が楽だった」
ゲキサカ / 2017年1月2日 22時28分
[1.2 全国高校選手権2回戦 市立船橋高0-0(PK3-5)前橋育英高 フクアリ]
迷わずド真ん中に蹴り込んだ。0-0のまま突入したPK戦。先攻の前橋育英高(群馬)はMF大塚諒主将(3年)が1人目のキッカーを務め、度胸満点にゴール中央へ決めた。
「逆に一番目のほうが気が楽だった」という大塚には、GKが確実に動くという“確信”があった。「GKは1人目は必ず飛ぶ。GKコーチもよく言っているけど、1人目は飛んで、どのぐらい届くのか、自分の感覚を確認したいもの。最初のキッカーから見るGKはほとんどいない」。その読みどおり、右に飛んだGKをあざ笑うようにボールはゴールマウスの真ん中へ吸い込まれた。
大塚の成功がチームを落ち着かせ、PK戦では5人全員が成功した。その裏には監督と選手の信頼関係があった。03年度の1回戦・四日市中央工戦(1-1、PK2-3)、06年度の2回戦・那覇西戦(2-2、PK3-4)、10年度の3回戦・流通経済大柏戦(1-1、PK1-3)。前育には大会の序盤でPK戦に泣く大会が続いた時期があった。
「僕は長年、PKで勝てなかった」と振り返る山田耕介監督は当時、蹴り方やインパクトの強さ、コースなど、PKの練習をかなり詰め込んだという。「徹底してPKの練習をやった。それでもダメだった」。そう笑った指揮官がたどり着いた答えは、小細工をせず、選手に自信を持って蹴らせることだった。2年前の14年度大会は2度のPK戦をいずれも制し、準優勝。過去の教訓を生かしてきた。
「キックに自信を持って、自分を信じて蹴ること。思い切り蹴るのか、GKを見てタイミングをズラすのか、そこは選手の判断」。1人目の大塚だけでなく、3人目のMF田部井悠(2年)も真ん中に蹴って成功させた。選手の度胸と機転がもたらしたPK戦勝利だった。
自分たちを信じてくれる監督の期待に応えたい。その思いが選手たちの力にもなっている。「PKは一番苦手」と話す大塚だが、主将として練習試合でも必ずPK戦は一番手を任されてきた。「監督が信じてくれているんだから決めるしかない」。その一心で蹴ったPK。「練習では必ず外しているんです。育英のGKとやると、いつも読まれて止められる。不安だったけど、気持ちで押し込みました」。170cmの小柄なキャプテンは照れくさそうに笑った。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 西山紘平)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
“J2のベンチ”からACL決勝進出の立役者に…横浜FMの歴史を変えたGKポープ・ウィリアム「自分で切り拓くのがサッカー選手の人生」
ゲキサカ / 2024年4月25日 2時46分
-
[関東 ROOKIE LEAGUE]FW飯島陸に憧れて大阪から前橋育英へ。FW立石陽向が2試合連続2発でAリーグ得点ランク首位に
ゲキサカ / 2024年4月22日 23時26分
-
MF石井陽主将「もっと全員が重く捉えなきゃいけない」。惜敗で開幕2連敗の前橋育英はより求め合って、修正して次節へ
ゲキサカ / 2024年4月17日 11時14分
-
玉田圭司新監督が求めることに対し、積極的にトライ。昌平が4-2で前橋育英に撃ち勝ち、初勝利を「プレゼント」
ゲキサカ / 2024年4月14日 0時6分
-
[船橋招待]新生・東福岡が前橋育英に1-0で勝利。より強度を高め、相手を圧倒して再び上へ
ゲキサカ / 2024年4月6日 8時56分
ランキング
-
1連敗の阪神・岡田監督「フォアボールが絡むよな、点が入る時に」木浪のライナー帰塁判断「そら難しいよ」
スポニチアネックス / 2024年5月4日 21時42分
-
2【ボクシング】西田凌佑がプロ9戦目で世界王座を獲得 バンタム級世界王者は3人が日本人に
スポニチアネックス / 2024年5月4日 18時39分
-
3大谷翔平が“大絶叫”「Come on!」 感情むき出し…ファン興奮の気迫が「まじかっけえ」
Full-Count / 2024年5月4日 14時56分
-
4巨人 阪神に延長10回サヨナラ連勝!吉川が決めた「抜けろっ!と」8回には丸が千金同点打 トラえた1差
スポニチアネックス / 2024年5月4日 20時59分
-
5西武・外崎 痛恨送球ミスからサヨナラヒーロー!声震わせ「悔しかった…野球やっていて最高にうれしい!」
スポニチアネックス / 2024年5月4日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください