遠野が“呪縛”を解き放つ!松山北を下し岩手県勢9年ぶりの初戦突破
ゲキサカ / 2017年1月2日 22時37分
[1.2 全国高校選手権2回戦 遠野高2-0松山北高 フクアリ]
第95回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦を行い、フクダ電子アリーナの第2試合では遠野高(岩手)が松山北高(愛媛)を2-0で下した。遠野は明日3日の3回戦で前橋育英(群馬)と対戦する。
“呪縛”を解き放った。3年連続で1回戦敗退に終わっていた遠野が初戦の壁を打ち破った。同校としても、8年連続初戦敗退の岩手県勢としても、遠野が8強入りした07年度大会以来の初戦突破。9年ぶりの1勝に長谷川仁監督は「だいぶ昔のように感じますね」と苦笑いを浮かべ、「まずホッとしています」と安堵の吐息をついた。
均衡を破ったのは前半32分だった。DF五嶋一樹(3年)がオーバーラップから右サイドを深くえぐってマイナスのクロス。ファーサイドのFW阿部亮太(2年)がヘディングシュートで先制点を奪った。さらに3分後の前半35分にはMF佐々木渓人(2年)のスルーパスにFW佐々木琢光(3年)が反応。GKとの1対1から冷静に右足でゴール左隅に流し込んだ。
2点を追う展開となった松山北は後半6分、MF中野潤平(2年)に代えてMF友近圭貴(2年)を投入。同13分には右クロスをファーサイドで受けたMF稲井雄大主将(3年)が角度のない位置から左足で狙ったが、GK菊地将大(3年)のセーブに遭う。同16分、左サイドから中に持ち込んだ稲井のシュートもDF高橋宏輔(3年)のブロックに阻まれた。
攻勢を強める松山北は後半32分、FW串部太一(3年)に代えてDF林伸樹(2年)を投入し、DF黒河友貴(2年)を前線に上げる。「後ろ(守備)は弱くなるが、黒河を前に上げたほうが相手も嫌だと思った」(渡部晃久監督)というリスクを冒したパワープレー。同39分にはスルーパスに抜け出したDF黒田琉晟(2年)がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの反則を取られ、1点が遠かった。
2-0で逃げ切り、岩手県勢として9大会ぶりの初戦突破を果たした遠野。次の相手は、この日、優勝候補の一角である市立船橋を破った前橋育英だ。「岩手県勢がずっと負け続けてきて、初戦突破が目標だった。次も自分たちの力がどれだけ通じるか。相手をリスペクトし過ぎず、チャレンジャー精神で臨みたい」。長谷川監督は虎視眈々と番狂わせを狙っている。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 西山紘平)
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