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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“33人”の3年生で目指す日本一(山梨学院高・小林友也)

ゲキサカ / 2017年1月3日 9時15分

 2017年1月1日。山梨学院が練習していたグラウンドをジュンソクが訪れる。「大会前も色々と連絡を取っていて、昨日もグラウンドに来てくれていたので、一緒に尚志対ルーテル学院の試合を見たりしました」と小林。ブランクはあっても、同じチームメイトだという気持ちは変わらない。実は山梨学院のベンチの中にはジュンソクの“個人持ち”ユニフォームが飾られているそうだ。もちろんそれは山梨学院時代のそれ。小林は「自分たちの学年は“アイツ”も入れて33人いたんですけど、『33人全員で日本一を獲ろう』ということで、“アイツ”もまだチームメイトだと思っているので、そういう形でやっています」と説明する。

 1月2日。駒沢陸上競技場の青く染まったバックスタンドに、ジュンソクは応援団の一員として加わった。「今でも自分をチームの一員として考えてくれているので本当に嬉しいですし、先生方もスタッフの方も、父母の皆さんもOBの方々もいつも声を掛けて下さるので、大げさかもしれないですけど『大きな家族』みたいです」と感謝を口にするジュンソク。仲の良い小林がゴールを決めて駆け寄ってくる姿を目の前で見つめていた彼は、もちろん3回戦もスタンドから声援を送るつもりだ。相手は自らにとっても高校生活最後の試合で対峙した駒澤大高。きっと応援にも力が入ることだろう。「選手権という誰もが憧れる舞台で試合ができた幸せを、胸を張って自慢して欲しいし、そこで得た教訓をこれからの糧にして、お互い頑張っていきたいですね」とジュンソクは“チームメイト”にエールを送る。

 色々な人の想いを背負って、キャプテンマークを巻きながらピッチを走り続ける小林。彼にとっても3回戦は因縁の試合になる。実は中学から高校に上がる際、駒澤大高からも勧誘があった。迷った末に山梨学院を選んだそうだが、まさかそんなチームとこの大舞台で対戦する日が来るとは夢にも思わなかったはずだ。しかも、大会有数のセンターバックとして注目を集めている駒澤大高の佐藤瑶大は、小学校時代から市の選抜で共にプレーした間柄。「今日もアイツらがピッチに入る前に自分が通路を通っていたら彼がいて、拳をバンと『頑張れ』みたいな感じでやりました」と話した小林は続けて、「どっちに行った方が正解だったのか、その答えが自分の中で明日出せると思うので、結果として出したいですね」と楽しそうに笑った。“33人”の同級生で臨む最後の選手権。山梨学院を牽引するキャプテンには、“33人”での日本一がおぼろげながら確実に見え始めている。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」

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