類まれな才能を受け継ぐ左SB、青森山田DF三国スティビアエブスが準決勝に向け気合
ゲキサカ / 2017年1月7日 9時0分
「1回埼スタを(12月のプレミアチャンピオンシップで)経験している。チャンピオンシップと選手権はまた違うと思うけど、それなりの重圧は経験している。緊張しないで頑張りたいなと思います」。昨年敗れている準決勝だけに、青森山田高(青森)のDF三国スティビアエブス(3年)は気合を入れ直した。
左SB適正も日に日にレベルアップしている。ボランチやSHを主戦場としていた三国だったが、高校2年生の夏に黒田剛監督からSB転向を打診された。足元の技術やスピードを見込んでのものだったが、「最初は慣れないポジションだったので、自分のところから攻められることも多かった」と、当初は戸惑いを隠せなかった。
しかし「ずっと練習して、課題を克服してきたから今がある」と断言できるほどの猛練習で、その戸惑いを払しょく。プレミアチャンピオンシップを制した今季の高校年代最強チームの一角を担ったことでさらに自信を深めており、今大会中もクロスボールを蹴る練習を徹底するなど、慢心もない。
ナイジェリア人の父を持つ三国。日本人の母は全国大会にも出場した元スピードスケート選手で、類まれな才能を受け継いでいる。6人兄弟の長男。3人の弟(高1、小2、4歳)もサッカーに打ち込んでいるという。
その弟の一人、FW三国ケネディエブス(1年)は今季より青森山田高に進学している。ケネディは190cmを超える長身で、世代別代表の日本代表も経験。中学時代から各メディアに取り上げられ、注目を集めている。「やっぱり羨ましいというのもある」と素直な気持ちを明かしたが、「自分がもっと頑張んないといけない」と力に変えている。普段過ごす寮が違うため会話は少ないというが、会えばサッカーのアドバイスを送りあうなど、お互い刺激し合える存在でいる。
昨年の準決勝敗退はサポートメンバーとしてベンチ裏で見守った。悔しさは今でも忘れていないという。「来年は自分が出るんだという思いがありました。選手権に出ることが小学校5年生からの夢だったので」。相手の昨年度優勝校の東福岡を下して勝ち上がってきた東海大仰星高(大阪)については、「プレミアWESTの高体連の一位(東福岡)を倒したくらいなので、油断できない。気を引き締めてやりたい」と力強く話した。
準決勝は7日に埼玉スタジアムで行われる。青森山田対東海大仰星の一戦は、12時5分にキックオフする。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)▼関連リンク
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