[ニューバランスカップ]1年後は選手権で輝く!西武台が札幌大谷とのPK戦制して“裏選手権”の頂点に!
ゲキサカ / 2017年1月9日 14時36分
札幌大谷は後半開始からMF小野大成(1年)とMF坂村純之介(2年)を投入。サイドから中央へラストパスを通した札幌大谷は細川や石川がフィニッシュへ持ち込む。札幌大谷の精度の高いコンビネーションの前に押し込まれた西武台だが、大声を発しながらクリアする小納や美川中心に決定的なシーンを作らせない。逆に左アーリークロスを宮田が右足ボレーで狙うなど1チャンスを活かそうとする。
連戦の疲れからか、後半半ばからは互いにミスも。札幌大谷FW細川、西武台MF山口が相手GKのミスキックを拾って独走するが、相手の素早いカバーの前にシュートを決めきることができなかった。札幌大谷は後半半ばからMF加藤由馬(2年)やMF花田康平(2年)、MF野間デュラン(1年)、MF坪谷亮(2年)を投入。ショートパスの連続から小野の左足シュートがゴールを襲うシーンもあったが、先制することはできず。一方の西武台はパワフルなFW金子龍馬(2年)やFW黒木謙吾(2年)を加えて相手の守りを破りに行く。推進力のある攻撃で札幌大谷の守りを苦しめたが、札幌大谷は糸納と小山中心に跳ね返して得点を許さなかった。
両校が勝利に対する思いをぶつけ合った熱戦は0-0のまま70分間を終了。優勝を懸けたPK戦では互いに5人目までが成功する。そして6人目、小納が左へ決めて成功した西武台は直後に高麗が右へ跳躍してセーブ。この瞬間、西武台の優勝が決まった。
西武台の守屋監督は「昨年の反省から積み重ねで粘り強く戦おうと。スーパースターがいる訳じゃないので粘り強く戦おうと。いい意味で毎日を全力尽くして行こうというスタートだった」と説明する。決勝では多くの時間帯でボールを保持される展開だったが、我慢強く戦いながら、勝負どころで人数を懸けて攻めに行ってゴールへ迫るなど、苦しい展開でも相手に負けず、強みを発揮していた。
まだまだ「全力でやらせてしまうとウチなんかは雑になったりする。全力でやった中でもボールをしっかり止める、判断する、蹴るというのは本当に作っていきたい」と指揮官が語るように課題はある。それでも全国大会でプレミアリーグ勢などに勝つために必ず必要になってくる強度の強い守りや、切り替えの速さを印象づけた大会だった。
主将の美川は「全員が仲間意識を持って、相手に負けない気持ちを持って、勝つぞと昂るんじゃなくて、負けない、と。要所、要所で全員が強い気持ちを持ってこの4日間でチーム力とか、団結力とか、一個一個粘れるところを身につけることができたと思います」と頷く。
16年は埼玉県勢が全国上位に食い込む中、同県を代表する強豪である西武台の選手たちは17年こそ自分たちが必ず勝ち上がって行くという思いを持って日々努力を続けている。美川は「埼玉のチームのレベルが上がっているのは凄い刺激になっている。負けられないという気持ちがある。全てのタイトル取れるようにまずは(県での)優勝を見ています。毎日の練習が大事。ここに来ていない選手もいる。チーム全員で優勝を取りたい」。タイトルを獲得したことを大喜びしていた選手たちだが、すぐに切り替えて次への準備をスタート。1年後の選手権で笑えるように、全員で競争し、埼玉、全国のライバルたちを上回る強さを身につける。
(取材・文 吉田太郎)
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