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青森山田、親子で挑む日本一…黒田凱「小さいときから父さんを優勝監督にしたかった」

ゲキサカ / 2017年1月8日 16時34分

 母が息子を思って涙した一方、監督としての立場もある父は簡単に感情を表に出すことはできなかった。「自分が監督として、そういう思いを全面に出してしまうと、それはもっと(家族を)悲しくさせるわけだから。僕自身は触れないで『バカだなぁ』という感じで言っておきながら……あえて触れないようにしましたね。一瞬の不注意での怪我、本人が一番わかっているから」と微笑む。

「最初は選手権のこのピッチで息子を出したいという気持ちもありましたよ。だけど無理をして出させることはできないし、監督として一番いい状態の選手、戦える選手を出さないと頑張ってきた選手に失礼。だからこそ、きちんとサポートに回らせながらやらせたいなと思いました」

 マネージャーへ“転向”した凱は、今大会では裏方としてチームを支え、日々の洗濯や用具の準備に取り組んでいる。8日に行われた決勝前日練習では、セットプレー練習の相手を務めてはサイドからスローインを投げ入れたほか、必死にボールを集めていた。選手としては無理でも、裏方としてチームを支えることはできる。やることは変わったが「父を日本一の監督へ」という想いはぶれない。

 高校卒業後は大阪体育大へ進学予定。孝行息子は父の背を追う。「後輩になりますけど、そんなに甘くないぞと。でもやるからには応援したいなと思います」。そう話した黒田監督は優しい笑顔をみせた。

 日本一へあと一勝。黒田監督が青森山田を率いての22年で未だ成し遂げられていない選手権制覇。息子・凱が最終学年となった今、手にするチャンスが巡ってきた。息子は「父さんを優勝監督に」と誓い、「あのとき泣かせてしまったので、母さんのためにもしっかりと頑張っていかないと、選手権を優勝して大学で頑張るというのは母さんにも伝えているので」と言う。2017年1月9日、埼玉スタジアムで行われる決勝戦。黒田家にとって特別な一日がはじまる。

(取材・文 片岡涼)
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