最悪の敗戦も力に。U-18世代のリーダー、CB橋岡大樹「海外の選手から『コイツと競り合うの嫌だ』と思われるように」
ゲキサカ / 2017年2月19日 11時7分
[2.18 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜0-4日本高校選抜 日産]
日本人プレーヤーの印象を変える。「1対1の強さだったり、球際の強さだったり、海外では日本人は個が弱いと思われているかもしれないですけど、やっぱり個が強くなって球際でも絶対に負けない、そして海外の選手から『コイツと競り合うの嫌だ』と思われるようになりたい。海外の相手でも本当に頼もしく見えるような、『アイツ、絶対海外でもできるでしょう』と言われるようになりたいですね」。U-18日本代表のスペイン遠征から帰国後わずか数日後に「NEXT GENERATION MATCH」に臨んだCB橋岡大樹(浦和ユース)はそう決意を口にした。
スペイン遠征では「これまで対戦した相手で一番強かった」という選手もいたU-18スペイン代表を完封。ユースレベルでは突き抜けているほどのヘディングの強さや球際の強さを持つ橋岡自身も「まだ18の年代で(評価されて良いか)分からないですけれど、自分でもいいプレー出せた」という「やれる」手応えも掴んで帰ってきた。
海外のトップクラブに所属する同年代の選手たちが、上手いことも、強いことも理解している。だが、「その中でも負けちゃいけない」という思いがある。日本が世界大会で優勝を争う位置まで勝ち上がっていくためには、それぞれの選手たちが海外トップレベルの選手の選手に負けないくらいの個になっていかなければならない。だからこそ、橋岡は海外で通用する、また海外の選手に「嫌がられる」CBになることを誓っていた。
この日行われた「NEXT GENERATION MATCH」は、強烈なほど負けん気強い男にとっては奮起する材料の多い試合となった。U-18日本代表のリーダー格であり、現U-20世代の日本代表メンバーにも招集されているCB橋岡の左腕に巻かれたU-18Jリーグ選抜のキャプテンマーク。この日、橋岡は「空中戦は負ける気がしないというか、自分のストロングポイントなので負けちゃいけないと思っています」という空中戦で相手を圧倒していたが、前半21分、相手のシュートに寄せきれずに自身の目の前でミドルシュートを決められ、0-2の後半23分には自らのミスパスを奪われて勝敗の行方を決定づける3点目を許してしまった。
富士ゼロックススーパー杯を戦うトップチームの応援のために多くのレッズサポーターも訪れている中で犯してしまった敗戦を決定づけるミス。「自分のミスが一番悔しいですね。レッズサポの前で……。印象はこれが残ってしまうかもしれないですけど、トップに上がったらこれを跳ね返すようなプレーをしたい」と奮起していた。キャプテンとして0-4の敗戦の責任を背負っていた橋岡。強い相手であればあるほど頼れる存在であり、相手のシュートに頭から飛び込んででもゴールを守る闘将は、この悔しさを必ずエネルギーにする。
有力な浦和トップチーム昇格候補。2年後のU-20W杯を目指すU-18日本代表ではリーダー格を務めるが、今年5月にU-20W杯を戦うU-20日本代表入りを本気で狙っている。「(今年)U-20行かなくていいや、自分の年代で入ればいいやじゃなくて、日本代表を目指すのであれば、今からどんどん上に行けるんだったら上行きたいですし、大切なものを見つめ直してしっかり上の年代へ入っていきたい」。この日、屈辱的な敗戦によって改めて闘志に火のついた注目DF。目の前の壁を一つずつ打破して、世界で通用するCBになる。
(取材・文 吉田太郎)
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