手ごたえあり。U-15日本代表候補が“腕試し合宿”を打ち上げる
ゲキサカ / 2017年2月20日 10時50分
2月16日から19日にかけて、U-15日本代表候補がチーム結成合宿を張った。「選考」という色合いもある中、最終日の19日には藤枝明誠高と浜松開誠館高の胸を借りて45分ハーフでのトレーニングマッチ2試合を実施。年長の相手に対して「チャレンジ」(有馬賢二監督)を一つのテーマにしての腕試しだった。
第1試合の相手は藤枝明誠。36分にCKカウンターを食らう形から失点してしまう難しい流れとなったが、その5分後にこの日は左MFに入っていた石橋翔太(福岡U-15)がこぼれ球を押し込む形で同点ゴールを奪い取る。後半も再び明誠に先行される流れとなるも、11分にFW大和蓮(札幌U-15)がヘディングで競った流れからFW池端今汰(磐田U-15)が同点ゴール。さらに終了間際の43分に池端のパスを受けた石橋が再び決めて、これが決勝点となり、3-2でU-15代表候補が競り勝った。
続く第2試合は浜松開誠館。全体としてフィジカル的に強健な選手が多く、中学生のU-15代表は攻守の空中戦でも苦戦を強いられる難しいゲームとなった。一進一退の流れの中から後半3分にクリアボールをボレーで叩き込まれる無念の失点となったが、直後の6分にMF西川潤(横浜FMジュニアユース)が個人突破からの左足シュートを鮮やかに突き刺し、同点に追い付く。
その後はDF鈴木海音(磐田U-15)が粘りの守備を見せ、MF渡辺綾平(横浜FMジュニアユース追浜)が豊富な運動量と確かな技術で相手の中盤に対抗するなど個々に輝きも見せながらの熱戦となったが、後半43分に痛恨のPK献上から失点。最後はそのPKの原因となった190cmのDF佐古真礼(東京Vジュニアユース)を前線に上げてのパワープレーを敢行して同点ゴールを狙ったが、結局1-2のまま試合終了を迎えることとなった。
ただ、有馬監督が「結果は残念でしたが、最後まであきらめることなく戦い抜いてくれたことが何よりうれしかった」と語ったように、指揮官がまず求めた勝負にこだわる姿勢、闘争心が見られたのは最大の収穫となった。また合宿を通じて強調された「ボールを奪いに行く姿勢」が各試合で顕著に見られたのもポジティブな材料だろう。フィジカル面で劣勢の選手であっても、しっかり体を当てて1対1で“守備の勝負”を挑むシーンが再三観られたのは今後の成長に繋がる材料だった。
もちろん、チームとしては「まだまだこれから」(有馬監督)。ただ、立ち上げの合宿として考えれば、明確な方向性を示しながら手ごたえを得た、収穫の多い4日間だったのは間違いない。
(取材・文 川端暁彦)
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