サッカー、スポーツで活気づく高知県黒潮町、人工芝グラウンド建設で新たな高知サッカーの拠点、合宿地のメッカに
ゲキサカ / 2017年3月12日 8時17分
選手育成やジュニア世代がサッカーを始めとしたスポーツに興味を持つことへ向けてもプラス材料となりそうだ。小松監督は「天然芝は養生期間が必要です。人工芝ならば年間フルで使えますし、少年ならば全日(全日本少年サッカー大会)の予選でもできる。雨が降ってもお母さんが洗濯物に困らないとか、スパイクが減らないとか、あとケガの防止にも繋がると思います」。人工芝グラウンドは高知県で初となる日本サッカー協会認定のフットボールセンターとなる模様。これで天然芝の陸上競技場と球技場、そして人工芝グラウンドと計4面の大人用の芝生コートが徒歩5分圏内に集中することになり、他地域にはないようなコンパクトさが大規模な大会の開催、リーグ戦等の集中開催を可能になる。加えて、施設近隣に位置している4kmの砂浜を活用して砂浜トレーニングを実施する強豪校も。今後、“天然のトレーニング環境”と移動負担の少ないコンパクトなサッカー施設が多くの強豪校や社会人チームなどの合宿実施、強化などに繋がりそうだ。
町の熱意はすでに口コミで広がっている。全国高校選手権出場8回の強豪で11日、12日の「Blue Wave winter league 2017 ~中四国グループS1~」集中開催に参加するために黒潮町へ訪れている玉野光南高(岡山)の乙倉健二監督は「町を上げてサッカーでという意気込み、サッカーで一つ何かしようという狙いは凄く感じます」と語り、また「大会の案内を頂く時に、宿と周辺地図と避難経路がセットで届くので南海トラフへの対応も考えてのこと」と明かしていた。
南海トラフ巨大地震に備える黒潮町では昨年、日本を含む世界30か国の高校生達が参加して「『世界津波の日』高校生サミットin黒潮」が開催された。津波避難タワーを見学するなど津波や防災の取り組みについて学んだ彼らのように、関係者達はサッカー、スポーツ合宿のために黒潮町を訪れる若者たちに「津波に対する知識も学んでもらえれば」とプランを口にする。今後、来訪者が増えることによって宿泊施設の問題などの課題も出てくることが予想されるが、サッカー、スポーツの力で活気づく黒潮町は近隣市町村や県、各種協会と連係しながら受け入れ体制を整えて、サッカーの町、スポーツの町として訪れる人達を「元気」にする取り組みを続ける。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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