「一番危険な心理状態」“キャプテン麻也”がチームを引き締め
ゲキサカ / 2017年3月27日 20時31分
キャプテンとしての責務は自覚している。MF長谷部誠の負傷離脱に伴い、23日のUAE戦(2-0)でゲームキャプテンを務めた日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は「そういう責任を任せてもらって光栄だし、責任と誇りを持って戦いたい」と、28日のW杯アジア最終予選・タイ戦(埼玉)に向けて表情を引き締めた。
勝って兜の緒を締める。「いいサッカーをして勝ったあとが一番危険な心理状態。気を抜かず、自分もチームを引っ張りたい」。敵地でUAEに快勝したあとのホームゲームに迎える相手は最下位のタイ。日本がボールを支配する展開が予想されるからこそ、「気を緩めがちな試合、集中力を欠きがちな試合になると思う。コーチングでしっかり後ろからリードしたい」と戒めた。
アウェーのUAE戦は中盤にアンカーを置く4-3-3のシステムで守備から入った。「ラインを深く取って、裏のスペースを空けないように挑んだ」。相手のストロングポイントを消す“戦術勝ち”に「前回は理想と現実のバランスがうまく重なった」と胸を張る。
アウェーでは現実的に戦い、ホームでは理想とするサッカーを目指す。あくまで目標は「理想のところでW杯で勝てるか」だが、「現実的なサッカーもしないといけないし、W杯に行くためには勝たないといけない」。予選突破を至上命題としながらも、「今回はホーム。より理想に近づけると思うし、そこでハイパフォーマンスを出せるか。ラインを高くして、よりアグレッシブな守備を出せると思う」と、結果とともに内容も追求するつもりだ。
その舵取りを担うゲームキャプテンは「僕は長谷部誠にはなれない。でも、僕には僕にできるリードの仕方がある。無理してハセさんみたいに振る舞う必要はない」と、自分流を貫く。勝てば他会場の結果次第でW杯出場に王手がかかる一戦。“キャプテン麻也”がハリルジャパンをロシアへ導いていく。
(取材・文 西山紘平)
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