鳥栖GK権田が612日ぶり味スタで号泣…FC東京サポに“けじめ”の謝罪
ゲキサカ / 2017年4月2日 2時2分
[4.1 J1第5節 FC東京3-3鳥栖 味スタ]
試合後、FC東京のゴール裏に歩み寄るサガン鳥栖GK権田修一の目に涙があふれた。ピッチに膝をつき、頭を下げる。手を合わせて“謝罪”する、かつての守護神にFC東京サポーターからは拍手とエールが送られた。
「無理、でしたね」。感情を抑えることはできなかった。「このスタジアムで育ててもらって、このスタジアムでうれしい思いも悔しい思いもした。どれだけミスした次の試合でもゴール裏から名前を呼んでくれた」。FC東京の下部組織で育ち、07年からトップチームに昇格。常に背負ってきた青赤のゴール裏を目の当たりにし、思いが溢れ出た。
背番号1に変更となった15年シーズンの夏にオーバートレーニング症候群を発症。長期離脱を強いられ、同年中の復帰は果たせなかった。16年1月にはオーストリアのSVホルンに期限付き移籍し、同年3月に実戦復帰。今年1月には欧州での移籍を目指し、FC東京と合意のもと契約を解除したが、交渉は難航し、2月6日に鳥栖への加入が発表された。
「こういう移籍の仕方になると、いろんな思いがあるのは当然。ブーイングしたい人もいると思う」。FC東京サポーターの気持ちが分かるからこそ、感謝と謝罪の思いを伝えたかった。「こういう移籍の仕方で、自分がFC東京のサポーターだったら“ふざけるな”と思う。謝らないといけないと思っていた」。権田なりの“けじめ”だった。
FC東京で最後にプレーしたのが15年7月29日の仙台戦。会場はこの日と同じ味の素スタジアムだった。チームを率いていたのは現鳥栖監督のマッシモ・フィッカデンティ監督。612日ぶりとなった味スタでのプレーに「最後にここで試合をして、ダメになって、ここで試合をするのはそれ以来。うれしい半分、でもユニフォームはFC東京ではない。複雑な気分だった」と、率直に胸の内を明かした。
練習からいつもと違う自分を感じていた。「この試合は負けたくない思いがあった。毎日、練習が終わってグラウンドから家に帰るとき、熱くなり過ぎたなと反省していた。普通ではいられなかった」。気合が空回りしたのか、後半31分、41分の2失点は味方選手との連係ミスからだった。「こういうことで動じないつもりだったけど、まだまだだなと。キーパーは冷静でいないといけないのに」と、自らの未熟さを責めた。
「勝てる試合だったので、そこが引き分けになった責任はすごい感じている」。そう反省した権田は試合後のミックスゾーンでも「今は割と頭の中が整理できていない。ロッカールームでもボーっとしていた」と、なかなか平静を取り戻せずにいた。報道陣から途中出場でピッチに入ってきたFC東京DF吉本一謙の名前が出ると、目に涙がにじみ、言葉に詰まった。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
鳥栖の未来を担う17歳…リーグ戦デビュー飾った鈴木大馳がJ1残留へ決意「他人事じゃなくて自分事に」
ゲキサカ / 2024年10月6日 10時4分
-
伊ユーべでキャリアスタートのJ初リトアニア人、鳥栖FWスリヴカが初ゴール「次の試合で必ず勝ち点3を取る」
ゲキサカ / 2024年10月5日 21時19分
-
J1復帰クラブで躍動 FK名手がカメラ越しに…声掛けに返した充実「毎日が楽しい」【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年9月25日 7時30分
-
「悔しさしか残ってない」味スタ帰還も不完全燃焼に終わった鳥栖の中原輝…J1昇格の立役者は古巣東京Vへの想いも口に
超ワールドサッカー / 2024年9月23日 7時15分
-
報われぬ若手の奮闘「やっぱり僕も心が痛い」 遠のくJ1残留も…元日本代表の“胸中”
FOOTBALL ZONE / 2024年9月23日 7時10分
ランキング
-
1【なでしこ】日韓戦〝ガラガラ危機〟に宮本会長が危機感「集客うまくいっていない」
東スポWEB / 2024年10月22日 18時1分
-
2《消えたロコ・ソラーレ功労者の現在》“切実な事情”でチームを去ったメンバーがカーリング離れて「病院勤務の専属職員」に転身
NEWSポストセブン / 2024年10月21日 16時0分
-
3去就注目の中日マルティネス投手、国内移籍ならば一択か? 中日「全力遺留」も...球界OB予想
J-CASTニュース / 2024年10月22日 15時21分
-
4元大関・旭国の太田武雄さんが死去 77歳 親方としても横綱・旭富士、関脇・旭天鵬らを育てた名伯楽
スポーツ報知 / 2024年10月22日 20時32分
-
5高梨沙羅「今季の目標はテレマーク」…26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪プレシーズン始動会見
スポーツ報知 / 2024年10月22日 17時16分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください